ラウンドアップ(グリホサート)の有害性についてはずいぶん勉強してきたつもりだったけど、まだまだある。今日、初めて、理解したこと。その前にまず、復習。植物や腸内細菌が持つアミノ酸を作る経路(シキミ酸経路)を損なう。これが大きな問題。さらにキレート効果を持っており、ミネラル分を剥ぎ落とす。ミネラル不足の原因を作る。そして、体内に入ると神経毒として機能する。ガン化のチェック機構を狂わせ、ガン化を防げなくしてしまう、精子の生育を妨げる…。
でもそれだけじゃなかった。グリホサートの化学式を見るとPがある。これはリン。グリホサートをどうやって作るためにはリン鉱山からリンを持ってこないといけない。ところがこのリン鉱山は多くの場合、ウランやラドンなどの放射性物質、ヒ素と混在している。つまり、ラウンドアップを作るために、地下に眠らせて置いてほしい有害な重金属がいっしょに引き出される。原発を作るためのウラン鉱山が実はこのリン鉱山も兼ねていることは多い。
だからラウンドアップは製品になって、それから環境を汚染するだけではなくて、製品作る前の原料を集める段階から環境を汚染してしまう。
モンサントの子会社がこの鉱山でリンを掘って、環境汚染を続けていた。ラウンドアップのための汚染と言っていいだろう。裁判が起こされ、モンサントの子会社は和解に応じることになったというニュース。
Phosphate mine company will clean up waste to settle lawsuit
https://www.spokesman.com/stories/2021/mar/04/phosphate-mine-company-will-clean-up-waste-to-sett/
そしてラウンドアップを使うことで農業用水にリン汚染を作ってしまうことにもなるという。
The overlooked impact of rising glyphosate use on phosphorus loading in agricultural watersheds
https://esajournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/fee.1985
グリホサートによる被害にばかりに関心奪われがちになるけれども、生態系への影響を考えるためにもリンの汚染にも関心を持たなければならないだろう。
ちなみに化学肥料のリンも同じようにリン鉱山からのリンを使っている。だから化学肥料によっても同じ汚染が起きる。リンによる問題だけでなく、ウランなどの放射性物質による汚染も起きていることを指摘している研究もあったはず。
モンサントは原爆を作るマンハッタン計画にも参加しているけれども、原発とラウンドアップが結びつく接点があったとは…。
2013年4月26日の投稿を書いた時に気がつくべきだったのだけど。
https://www.facebook.com/InyakuTomoya/posts/636369559723211
ちなみに写真の左がバイエル(旧モンサント)のラウンドアップ。都内のホームセンターにて。
ピンボケで見にくいと思うけど、「葉から入って! 土に落ちても! 自然物に分解!」とある。
海外ではラウンドアップには Biodegradable (生分解可能)と書かれて売られていたけれども、これは虚偽広告として裁判でモンサントが負け、それ以来、この記述が消えた。海外では違法行為でも日本では合法なのか?
右側はバスタ。以前、バイエルの主力農薬で、遺伝子組み換え農業ではラウンドアップに次ぐシェアを誇る。モンサント買収で両方ともバイエル製品となるとほぼ全部、バイエルになってしまうので、反独占の規制によって、バスタの事業は同じドイツ企業のBASFに売却された。ドイツ企業がGMOの主力農薬のすべてを押さえた形。こちらにはもっと露骨に「自然物に分解」と書かれているけれども、果たして…。