企業ロビーが世界を破滅させる:遺伝子組み換え蚊と「ゲノム編集」卵に見る

 今、世界で起きている問題の多くはごく一握りのものたちの利益追求があたかも全体の利益であるかのような見せかけのもとに政治が社会が捻じ曲げられてしまうことで起きている。重要な政治的決定がデタラメな前提によって決められてしまい、メディアもなかなか報じない。例は枚挙に暇がないがその1つがこれ。
 オスしか生まれない遺伝子組み換えされた蚊が米国で大量に放出されようとしている。
 その正当化する理由「デング熱などの被害が蚊によって引き起こされるから、遺伝子組み換え蚊によって、蚊の数を減らす」
 しかし、この遺伝子組み換え蚊はブラジルでも大量に放出されたが、どんな成果があったのか、データは公開されていない。ちなみに、ブラジルで遺伝子組み換え蚊が放出された地域では放出後にデング熱の非常事態宣言が発せられる結果となった(1)。
 遺伝子組み換え蚊と交雑した蚊の幼虫は死ぬはず、と開発側は主張していたが、実際には交雑蚊は生き残るものがおり、蚊の数は減らず、むしろ事態は悪化したとみられている。その後、Oxitec社はオスだけが生まれる遺伝子組み換え蚊を開発したようだ。結果的に蚊が繁殖できなくなる、ということだろう。開発企業Oxitec社(英国)はデータの公表を拒み続けている。
 米国の市民はこの遺伝子組み換え蚊の放出に反対運動を続けているが、米国政府はその声を無視し続けている(2)。
 
 同じことが「ゲノム編集」食品の流通においても言える。もし、本当の科学的なデータに基づくのであればこんなに早く、しかも一切の表示なしで流通させるなどありえない。

VLOGアンケート

 掲げたイラストはドイツでの「ゲノム編集」鶏卵への人びとの反応。表示を求める人びとの割合は85%、買いたくないと言う人も70%という多さ(3)。オスは孵化できずに死ぬように「ゲノム編集」された鶏の卵。しかし、EUはこの卵を表示せずに流通を認める方向になっている。なぜかといえば自由貿易協定があって、国が縛り付けられているからだ(4)。そのルールを作ったのは多国籍企業のロビーグループ。そして政府関係機関にもその人材が入り込んできている。
 
 いくら市民が反対しても、政府は真逆のことをやろうとする。この民主主義の捻じ曲げている勢力を一掃しなければ、本当に人類の未来は絶望的になる。人びとの健康や生態系の保全などいくら悪化させても企業の利益となる政策を取らせようという勢力が政治を握っている。
 
 残念ながら、日本はこの政治の中での民間企業のロビーの存在は世界でトップになっていると言わざるを得ないのではないか? 年々、政府の中で動く民間企業関係者の数は増加の一途を辿っている。
 
 しかし、抵抗の方法はいろいろとありうる。1つの有力な方法が地方自治だろう。決定権を持てる範囲でそれを効果的に行使する、そしてそうした人びとがつながっていけば、こうした勢力をいぶり出すことは十分可能になるはずだ。

(1) 2014年5月3日の投稿。ブラジルでデング熱の非常事態宣言
https://www.facebook.com/InyakuTomoya/posts/852889331404565

(2) In California, an army of genetically engineered mosquitoes awaits release. Will it backfire?
https://www.latimes.com/business/story/2022-04-08/genetically-engineered-mosquitoes-may-soon-fly-in-california

カリフォルニア州在住者限定のオンライン署名。締め切りは現地時間4月19日午後5時。
https://gmofreeusa.salsalabs.org/stopgmomosquitoesca_0

(3) Non-GMO認証を行う民間代替認証機関VLOGのアンケート
Clandestine Genetic engineering in Easter eggs?
https://www.ohnegentechnik.org/en/news/article/clandestine-genetic-engineering-in-easter-eggs

(4) EU Commission: political statements instead of scientific evidence
https://www.testbiotech.org/en/news/eu-commission-political-statements-instead-scientific-evidence

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