遺伝子組み換え作物をめぐるこの10年

 ここ10年、世界の動きはより激しくなり、洪水のようにますます膨大な情報が流れてくる。良いことも悪いこともある。
 その中で悪いニュースからちょっと。遺伝子組み換え農薬とも呼ぶべき遺伝子に作用する農薬を米国環境保護局が承認する可能性がある。従来の農薬は化学成分が植物のアミノ酸合成を妨げたり、毒素タンパクで害虫の腸に穴を開けたりさせたりするものだったが、これは虫の遺伝子に作用して虫を殺す。どこかの実験室で遺伝子組み換えをするのではなく、自然環境の中でそれを起こすというもの。
 いいニュースは農業のあり方を変えて、生態系を適切に3割回復させることができれば7割の生物の絶滅を回避できるというもの。このままではあと30年で100万種の生物が絶滅すると予想されている。このシナリオを変えることは可能だということ。コロナなどの感染症もやはり農業のあり方、特に畜産業のあり方が大きく関係するということも明らかになりつつある。食を変えることの意味がより明らかになっている。 “遺伝子組み換え作物をめぐるこの10年” の続きを読む