モンサントとリン鉱山汚染

 ラウンドアップ(グリホサート)の有害性についてはずいぶん勉強してきたつもりだったけど、まだまだある。今日、初めて、理解したこと。その前にまず、復習。植物や腸内細菌が持つアミノ酸を作る経路(シキミ酸経路)を損なう。これが大きな問題。さらにキレート効果を持っており、ミネラル分を剥ぎ落とす。ミネラル不足の原因を作る。そして、体内に入ると神経毒として機能する。ガン化のチェック機構を狂わせ、ガン化を防げなくしてしまう、精子の生育を妨げる…。
 でもそれだけじゃなかった。グリホサートの化学式を見るとPがある。これはリン。グリホサートをどうやって作るためにはリン鉱山からリンを持ってこないといけない。ところがこのリン鉱山は多くの場合、ウランやラドンなどの放射性物質、ヒ素と混在している。つまり、ラウンドアップを作るために、地下に眠らせて置いてほしい有害な重金属がいっしょに引き出される。原発を作るためのウラン鉱山が実はこのリン鉱山も兼ねていることは多い。
 だからラウンドアップは製品になって、それから環境を汚染するだけではなくて、製品作る前の原料を集める段階から環境を汚染してしまう。 “モンサントとリン鉱山汚染” の続きを読む

クローズアップ現代の報道の意義:日本の現実を見つめよう

 クローズアップ現代「世界でどう闘う?農産物のJAPANブランド」はとても画期的だったと思う。その理由第1。「モンサント文書」。実際に報道されたのは米国のラウンドアップ裁判でのモンサント社の社内文書(1)。モンサントは自社の研究でラウンドアップの人体への危険性は実際につかんでいながら知らせなかった。これがモンサントの敗訴の決定的な理由となっている。もっとも、番組の時間の多くを使っていたのはバイエル社による弁明で、衝撃は大いに弱められているが、実際に白血病になって訴訟を起こした人のインタビューやドウェイン・ジョンソン氏の裁判の映像含めて、流れたことは意義が大きい。 “クローズアップ現代の報道の意義:日本の現実を見つめよう” の続きを読む

遺伝子組み換え作物をめぐるこの10年

 ここ10年、世界の動きはより激しくなり、洪水のようにますます膨大な情報が流れてくる。良いことも悪いこともある。
 その中で悪いニュースからちょっと。遺伝子組み換え農薬とも呼ぶべき遺伝子に作用する農薬を米国環境保護局が承認する可能性がある。従来の農薬は化学成分が植物のアミノ酸合成を妨げたり、毒素タンパクで害虫の腸に穴を開けたりさせたりするものだったが、これは虫の遺伝子に作用して虫を殺す。どこかの実験室で遺伝子組み換えをするのではなく、自然環境の中でそれを起こすというもの。
 いいニュースは農業のあり方を変えて、生態系を適切に3割回復させることができれば7割の生物の絶滅を回避できるというもの。このままではあと30年で100万種の生物が絶滅すると予想されている。このシナリオを変えることは可能だということ。コロナなどの感染症もやはり農業のあり方、特に畜産業のあり方が大きく関係するということも明らかになりつつある。食を変えることの意味がより明らかになっている。 “遺伝子組み換え作物をめぐるこの10年” の続きを読む

除草剤ラウンドアップへの代替案:スチームや温水による除草

 モンサント(現バイエル)の除草剤ラウンドアップ(グリホサート)、世界で規制が進んでいる。一方、日本ではラウンドアップの販売額が毎年跳ね上がっている。日本では農業分野だけでなく、学校や公園、道路など子どもが遊ぶ環境でラウンドアップを使うケースが増えていることが考えられる。
 米国やオーストラリアでもラウンドアップの使用を禁止した自治体はとても多くなっている。そうしたところではラウンドアップを使わずにどうやって除草をしているのだろうか? “除草剤ラウンドアップへの代替案:スチームや温水による除草” の続きを読む

堆肥に含まれるグリホサートが農作物に被害を与える

 家畜の糞を利用した肥料が作物の生育に悪影響を与えるとする研究が発表になった。

 世界で規制が強まるモンサント(現バイエル)の除草剤ラウンドアップ(成分名グリホサート)、腸内細菌に影響を与え、人びとの健康に大きな影響を与えている可能性に世界が注目している。もし、そうならば遺伝子組み換え飼料を与えた家畜の糞は問題あるのではないか、という質問を学習会などでも頻繁に受ける。
 家畜の糞を肥料にするためには発酵させるが、普通は温度はかなり高くなる。でも遺伝子組み換え飼料を食べさせた糞は発酵させても温度がなかなか上がらず、肥料として成熟しにくいという話は聞いたことがある。確実な実験結果がほしいところだったが、ついに出てきた。 “堆肥に含まれるグリホサートが農作物に被害を与える” の続きを読む

ラウンドアップやジャンクフードと闘うメキシコ

 メキシコ政府がTPPや米国・メキシコ・カナダ協定などの自由貿易協定・経済連携協定によって、メキシコでの種子の権利を危うくしようとしている現状について書いた(1)けれども、それだけで終わってしまっては不当な扱いになるだろう。

 なぜなら一方でメキシコ政府はかなりがんばっているからだ。その最大の象徴はモンサント(現バイエル)の農薬、ラウンドアップ(その主成分グリホサート)の禁止に向けた措置だと言える。 “ラウンドアップやジャンクフードと闘うメキシコ” の続きを読む

遺伝子組み換え農業もラウンドアップも終わりが見えた

「9割近い遺伝子組み換え作物の終わりの始まり」ついに終わりが見えた!
 モンサント(現バイエル)を相手に闘ってきた弁護士アンドルー・キンブレル氏(Andrew Kimbrell)がインタビューで語る。キンブレル氏はモンサントと闘う運動の中心を担ってきた人と言っていいだろう。Center for Food Safety(CFS)というNGOを作り、数々の訴訟でモンサントを追い詰めてきた。その彼が現在のラウンドアップ訴訟をどう見ているか、この重要なインタビューで語られる(1)。 “遺伝子組み換え農業もラウンドアップも終わりが見えた” の続きを読む

遺伝子組み換え、農薬に関する日本の情報統制が解ける?

 なぜ日本は世界と真逆の動きになるのか? 世界で規制が進むラウンドアップ/グリホサート。日本は逆に最大400倍の規制緩和、販売量も増え続ける。その原因は日本国内での情報統制にあった。そしてそれが今、解け始めた? 日本も変わる!! “遺伝子組み換え、農薬に関する日本の情報統制が解ける?” の続きを読む