ゲノム編集された食品が有機になる? 9月30日、秘密裏にゲノム編集検討会が開かれるとの情報。これは新たな日米密約か?
今、日米政府の中でとんでもない話が進みつつあるようだ。ゲノム編集によって遺伝子操作されたものは自然の中での変異と何ら変わらないとして、米国政府に続き、日本政府も来週火曜日から届け出・流通が可能になる。
それだけでもおかしいのだが、今度はそのゲノム編集食品(ゲノム破壊食品)を有機認定できるように認めようと画策してきているという。実際に米国では7月に農務省次官がゲノム編集食品を有機認定できるように議論をしようと発言して、大きな批判を呼んだ(1)。
有機認定では遺伝子組み換えを認めていない。だから遺伝子組み換え食品表示義務のない米国では遺伝子組み換え食品を避ける手段としても有機認証が活用されてきた。しかし、もし新たな遺伝子操作技術であるゲノム編集による食品でも有機認証が得られてしまうのであれば、もはや消費者は遺伝子操作された食品を避ける手段がなくなってしまいかねない。
日米貿易協定は最終合意となったが、この合意の中で日本政府は米国政府と果たして密約してしまったのだろうか? つまりゲノム編集も有機認定に含めるようにする、と。農水省は9月30日に秘密裏に検討会を持ち、ゲノム編集を有機認定に含めることを検討する予定だという情報が入ってきた。通常、こうした検討会は一般傍聴できるように告知されるが、この検討会は一切、告知されていない。しかもリークされた情報によると2回のみの開催で結論を出してしまうつもりのようだ。
これは異常の中の異常なやり方だ。公開されない秘密の検討会で、しかも、検討すべき内容は多いはずにも関わらず、限られた時間で結論が出せるわけでもないのにわずか2回しか検討しない、というのは。生産者、消費者はものを言う権利があるはず。勝手に重要な政策を決めるな!
米国では10月に全米オーガニック認証基準委員会(NOSB)理事会が開催される予定だが、米国の市民組織はこの理事会にゲノム編集食品を有機認定に含めるな、というコメントを集める活動を始めた。日本からもコメントを送ることができる(署名だけでも可能)。ぜひ、サインを!
USDA NATIONAL ORGANIC STANDARDS BOARD: NO GMOs IN ORGANIC!
有機農業/アグロエコロジーの日本での展開は今後に大きな期待がある。ここでゲノム編集を有機認証に含めてしまえば、もう日本での有機認証は骨抜きになってしまう。有機認証だけが唯一のあり方ではないものの、骨抜きにされることが社会に与える影響は大きい。許されることでは決してない。
農水省の検討会についてはまったく情報が公開されておらず、この異常な進め方含めて、4日から始まる国会でもぜひ追及を国会議員の方にはお願いしたい。
これを止めるために、日本でも何ができるか、緊急に検討する必要が出てきた。要注目!
(1) 米国でゲノム破壊食品を有機認定?