遺伝子操作樹木がもたらす問題のレポートが発表に

 環境にいいはずと思ってFSCラベルの製品を買ったら、それが遺伝子組み換えの木から作られていて、モンサントの農薬グリホサートを広域に撒いて作られていることになるかもしれません。今、重大な基準の変更がFSCで行われようとしています。
 「ゲノム編集」を含む遺伝子操作食品(遺伝子組み換え食品)は環境危機を深刻化させます。でも、食品以上に甚大な影響を与えることが確実なのが遺伝子操作樹木(GE Trees)。食品と違って、人が食べない、そして植えられるのは人が声を上げにくい地域ということもあって、その危険がなかなか社会に伝わらず、遺伝子操作樹木の大規模植林が世界で急速に進むことが懸念されています。
 
 大豆などの遺伝子組み換え農作物が環境中に出ているのは数ヶ月に過ぎないのに対して、樹木は少なくとも4年以上、環境中に存在し続けます。環境に与える影響では農作物の比ではありません。それなのに環境に配慮した植林から生まれた木材や紙製品に貼られる認証ラベルFSCがこの遺伝子操作樹木を容認してしまうかもしれません。そうなったらFSCは一体何のための認証ラベルになるのでしょう? 環境にいい、と思って、このラベルのついた製品を選んでいた人は少なくないはずです。
 
 ブラジルではラウンドアップ/グリホサート耐性遺伝子組み換えユーカリが登場してきており、世界的に規制の必要が叫ばれているグリホサートを逆に広大な地域で撒くことにつながりかねません。生物絶滅危機が進行する中、これは止めなければならない動きです。
 
 そして、残念なことに、日本はこうした遺伝子操作樹木の研究を大学や王子製紙などの企業が進めています。
 
 こうした世界の動向をカナダ生物多様性アクションネットワーク(CBAN)がまとめました。日本での動きに関しては調査の協力をしました。もっとも日本の遺伝子操作樹木のすべてが網羅されているわけではなく、一部に留まっています。
The Global Status of Genetically Engineered Tree Development: A Growing Threat
The Global Status of Genetically Engineered Tree Development: A Growing Threat.

The Global Status of Genetically Engineered Tree Development: A Growing Threat.


 
 上記の報告書全部を翻訳したいところですが、今回のFSCの姿勢転換についてまとめた概要文書だけ日本語に翻訳しました。

森林管理協議会(FSC)が遺伝子組み換え樹木の世界的な導入への扉を開く
https://drive.google.com/file/d/15jLM1UkA5JanWQf0w6DcYUIdEJkdBZNl/view

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA