9月21日の単一植林に対して闘う国際デー、世界各地で大規模産業的単一植林に反対行動が行われた。現在、世界で産業用の原料とするために、生態系や地域社会への影響を考慮しない大規模な単一植林が行われている。生態系を回復させるための植林に反対しているわけではもちろん、ない。川や湖がなくなる、飲み水が汚染される、職が得られなくなり、人が生きられなくなるような変化を強いていながら、そうした植林は、一見、緑に見えることもあって、公的資金や人びとの「善意」の投資も含めてつぎ込まれる。
何がどう問題なのか、『12へのウソへの12の返答』という52ページの冊子が作られ、同日公表された(1)。英語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語版がある。とりあえず、目次だけでも紹介してみたい。
12のウソ
- 植林は森林になる
- 植林は環境を改善させる
- 植林は自然林を守る
- 植林は劣化した土地で行われる
- 植林は気候変動を阻止する
- 植林はバイオエコノミーあるいは循環型経済で中心的役割を果たす
- 植林は雇用など社会的・経済的発展に貢献する
- 地域コミュニティとの紛争はベストプラクティスや認証によって解決できる
- 植林企業は女性のエンパワーにコミットしている
- 世界はブラジルやウルグアイの植林モデルの成功に続く必要がある
- 植林は財政的にサステイナブルである
- 植林は小農の利益になる
ブラジルの植林の現場を見てきたが、まさにこの逆の事態が起きていた。ブラジルだけでなく、今や、アジア、アフリカに広がり、そして米国などの北の地域でも進んでいる。その影響の大きさと深さを考えれば、本当に放っておける問題ではないのだ。植林が進めば、その土地を植林による被害から回復させるには多くの困難が植え付けられる。土壌の劣化・崩壊、土壌に残される毒素、汚染物質。まずは単一植林計画を止めること。それへの国際機関あるいは先進国のODAなどの資金援助も止める必要がある。
21日にはアフリカからもこの産業的単一植林に反対する声明が出されている(2)。土地を奪われ、職がなくなり、環境が破壊されるのだから、本当に包括的に生きられない空間へと変えられると考えてもらえればいいだろう。
そして、さらに植えられる樹木が遺伝子組み換えされるものへと変わっていこうとしている。その反対署名の締切は10月5日(3)。
(1) 12 Replies to 12 Lies about Industrial Tree Plantations
https://www.wrm.org.uy/publications/12-replies-to-12-lies
(2) Statement: Monoculture Tree Plantations Are Not Forests!
(3) The Campain to STOP GE Trees: Sign the Letter of Protest
https://stopgetrees.org/FSCactioncall/