遺伝子組み換えユーカリが生態系を破壊するーFSCの暴走を止めろ!

FSCラベル
 遺伝子組み換え大豆が直接間接にアマゾンを破壊する。しかし、この大豆以上に世界の生態系を破壊することが想定されるものが世界中に植えられてしまうかもしれない。それは遺伝子組み換え樹木。認証機関が容認に向け、動いている。止めるなら今。
 ブラジルでは広大なユーカリ植林が広がる。ユーカリはオーストラリアの乾燥した地域原産だが、水を吸い上げる力が強く、また他の植生を寄せ付けず、それを食すことができる生物も限られているため、ブラジルのように生物多様性の高い地域に植えると生態系に与える影響は巨大なものがある。しかも、その広大な植林は地域に職をほとんど提供しない。このユーカリを植えられた地域では住民が生きていけなくなり、人口が激減する。だからユーカリ林は「緑の砂漠」であるとしてブラジルでは強く批判されてきた。しかし、その批判の声はかき消され、その拡大は止まっていない。そして、そのユーカリが今、遺伝子組み換えユーカリ、しかもラウンドアップ(グリホサート)耐性遺伝子組み換えユーカリに代わろうとしている。これが広大な地域に植えられれば大量のグリホサートが散布され、地下水も汚染し、生態系は甚大な被害を受けることは必至だ。
 
 遺伝子組み換え樹木は遺伝子組み換え大豆などに比べてはるかに大きな影響を環境に与える可能性がある。というのも大豆は植え付けから収穫までが数ヶ月と短い。それに比べ、遺伝子組み換え樹木は数年以上、環境中に存在し続ける。だから環境に与える影響もその期間の長さの分、大きくなることが予想できる。しかも、植林は広大な地域に及ぶ可能性がある。ブラジルを車で移動すると延々とユーカリ植林が続き、その広大さに圧倒される。それがすべて遺伝子組み換えになってしまうことのインパクトを想像してみればいい。すでにブラジルの植林企業スザノ社(Suzano)はラウンドアップ耐性遺伝子組み換えユーカリを登場させている。
 
 さらに問題なのは環境・生物多様性、地域社会・先住民族、労働者の権利を守るために生まれてきたはずの認証機関である森林管理協議会(FSC)がこの遺伝子組み換え樹木の容認に向けて動き出していることだ。
 FSCラベルが付いた紙や木を使うことは消費者が環境や人権、森林地域の社会に配慮するために奨励されていた行動だった。そのFSCが遺伝子組み換え樹木を容認するということになればもはやFSCラベルは無意味なラベルになるだけでなく、消費者を騙すものになってしまう。これはありえない、ということで国際的な市民の連携でオンライン署名運動が始まっている。締め切りは10月5日。英語だが簡単なのでぜひ参加をお願いしたい。
 
STOP GE TREES
https://stopgetrees.org/FSCactioncall/

 実はこの分野で悲しいことに日本のプレゼンスは小さくない。ブラジルでのユーカリ植林は歴史は長いが、産業的な大規模植林ではブラジルの軍事独裁政権時代に日本のODAで始めたユーカリ植林が大きな影響を与えている。そして、日本では政府、企業、大学などで遺伝子組み換えユーカリや杉の研究が進んでおり、王子製紙はベトナムで遺伝子組み換えユーカリの実験を行っている。
 南の広大な地域が遺伝子組み換え樹木で占拠され、生態系が崩壊するのは今後の世界の環境を考える時、きわめて深刻な事態になるが、これがそれに留まらない。現在、温帯でも生育できる遺伝子組み換えユーカリも日本含めて開発が進んでいるからだ。
 
 Canadian Biotechnology Action Network(カナダ・バイオテクノロジー・アクション・ネットワーク、CBAN)が現在の遺伝子組み換え樹木の問題をまとめたリポートを発表した。遺伝子組み換え樹木に関する状況を概観できるものになっている(現在翻訳中)。このリポート作成の際に、日本の関わりに関しての調査に協力を求められたので、限られた範囲だが、それに協力した。その要約版を翻訳(これには日本の状況は含まれない)。この要約版は認証機関であるFSCの行動がいかにこの遺伝子組み換え植林を促しているかに焦点をあててまとめられている。この10月5日締め切りのオンライン署名がいかに重要かを理解できるものになっている。ぜひ、ご活用いただけますようお願いします。

森林管理協議会(FSC)が遺伝子組み換え 樹木の世界的な導入への扉を開く(PDF 7ページ 484KB)
https://drive.google.com/file/d/15jLM1UkA5JanWQf0w6DcYUIdEJkdBZNl/view?usp=sharing

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