英国スーパーの非遺伝子組み換え飼料使用放棄と日本社会

英国のスーパーTescoがこれまで貫いていた遺伝子組み換え飼料を使わないという方針を撤回して以来、生協含む多くの食肉販売スーパーなどが遺伝子組み換え飼料を使わない方針を次々に放棄している。
Tesco、Asda、Morrisons、Waitrose、そしてSainsbury’sや生協のThe Co-operative Groupも。
Sainsbury’sとThe Co-operative Groupは鶏肉にはすでに非遺伝子組み換え維持の放棄をしていたが、それが豚肉にも拡大された(注1)。

その理由はどれも非遺伝子組み換え飼料を確保することが困難であるという。Tescoがこの発表をした時、ブラジル非遺伝子組み換え穀物生産者組合(Abrange)はブラジルには十分な非遺伝子組み換え穀物供給余力があり、Tescoは騙されていると声明を出した。

ブラジルでの非遺伝子組み換え大豆生産はEUなどからの需要を元に順調に進展している。

遺伝子組み換えか否か、という差は来年以降、さらに大きなものになっていくだろう。というのも、来年以降、南米では第2世代遺伝子組み換え大豆の収穫が始まることが予想される。これはこれまでのラウンドアップ除草剤体制に加え、殺虫性を掛け合わせたもの。ラウンドアップ耐性遺伝子組み換えへの健康への影響も懸念されているが、この殺虫性(Bt)遺伝子組み換えもまたカーン大学での実験を初め、ガンなど健康被害が気になるものだ。それが掛け合わされるというのだからその危険性を危惧せざるをえない。

また米国でもラウンドアップ残留許容量が大幅に引き上げられた。ラウンドアップ耐性雑草が増え、その使用量が増加しており、米国環境庁は残留許容量を引き上げるという決定を行ったものだ。年々、遺伝子組み換え大豆やトウモロコシの危険度が上がっている可能性が高い。

このような中で、日本社会はこうした遺伝子組み換え飼料に対してどうすべきか、真剣に考えざるをえない状況になっている。

この問題について、大地を守る会が9月7日にまほろばライブファーム(山形県高畠町)代表・伊藤幸蔵さんを招いて、セミナーを開く。この場で、私もブラジルでの遺伝子組み換えとの闘いと非遺伝子組み換え穀物生産について報告(45分ほど)させていただくことになった。

関心のある方にはご参加をよびかけたい。

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