ブラジルの反飢餓政策の復活:ホームレス運動による「連帯キッチン」が政策に

 食と政治の関係、もっともドラマチックに表現しているのがブラジルかもしれない。ブラジルは飛び抜けた極少数の金持ちが過半数の農地を独占する一方で、多くの飢餓状態の人びとが苦しんでいた。1993年以降、市民による反飢餓運動が全国に広がり、ついに2001年、労働者党の大統領が選ばれる。そして生まれた飢餓ゼロの政策と小規模家族農家を支援する政策。飢餓人口は急速に減少し、2014年、国連の飢餓マップからブラジルは消えた。 “ブラジルの反飢餓政策の復活:ホームレス運動による「連帯キッチン」が政策に” の続きを読む

高島屋が「ゲノム編集」養殖魚をフェアで販売、どこがサステナブル?

高島屋よ、お前もか!
 拷問養殖と批判される「ゲノム編集」養殖魚を22世紀ふぐとして新宿高島屋が7月19日から25日まで開催される「EAT2023 BY TAKASHIMAYA 」と称するイベントで販売する。でも、その商品説明には「ゲノム編集」のゲの字もない。しかもそのイベントはサステナブルをうたったものなのだ。遺伝子を破壊して環境の変化に対応する能力に問題のある魚を温水プールで育てることのどこがサステナブルと言いうるのか、詭弁も甚だしい。
https://www.takashimaya.co.jp/shinjuku/eat2033/index.html
(地下1F シーズンイベントスクエアをクリック)
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欧州委員会が「ゲノム編集」食品規制撤廃案を発表、ドイツなどは反発

 7月5日、欧州委員会は「ゲノム編集」食品に関する規制をなくす案を発表した(1)。つまり安全性の審査もなく、表示もなく、「ゲノム編集」によって遺伝子操作した食品を流通できるようにするというものだ。
 EUでは欧州裁判所が2018年に「ゲノム編集」食品は遺伝子組み換え食品と同等に規制すべきという判断を下していた(2)。遺伝子組み換え企業(バイオテクノロジー企業)はこの決定に対してEUに圧力を加え、昨年にはこの決定を覆す方向の欧州委員会報告を発表、今年夏に覆ると予想されていた(3)。しかし、「ゲノム編集」食品の規制をなくせば、実質的に遺伝子操作された食品があふれ、有機農業にも多大な影響を与え、さらにバイオテクノロジー企業による食の支配がさらに進むことに大きな懸念が示され、この決定は大幅に遅れ、7月5日の案の発表となった。 “欧州委員会が「ゲノム編集」食品規制撤廃案を発表、ドイツなどは反発” の続きを読む