日本の有機基準が農水省の恣意的な運用で曲げられようとしている。そのことに有機基準創始者団体から「待った」の声がかかった。なによりの朗報。
それはIFOAM(国際有機農業運動連盟)からの公開書簡¹。IFOAMはそもそもこの世界各国の有機基準を作ることを提案し、各国の基準を作るもととなった有機基準の創始者団体。本部はドイツ。ドイツの国際理事会だけでなく、IFOAMアジアなど世界のIFOAM14団体が加わっているから、農水省の考えは世界から強烈なノーを突き付けられたことになる。 “有機基準の本家からダメだしされた重イオンビーム育種品種の有機農産物扱い” の続きを読む
米国の有機基準でも「あきたこまちR」はアウト
今月開かれた米国の全米有機基準委員会(NOSB)での人為的突然変異品種(以下IM品種、IM=Induced Mutagenesis)をめぐる議論を読んだ。その議論は有機の原則を踏まえた内容になっていた。そこから読み取れたのはIM品種は排除するという意志だった。日本の農水省とは真逆である。 “米国の有機基準でも「あきたこまちR」はアウト” の続きを読む
節水型乾田直播と重イオンビーム
節水型乾田直播について、雑草イネの発生とその対処として農薬耐性イネが導入されるリスクについて11月20日に書いたが、その与える影響はそれに留まらない。土壌の状態にも大きな変化が生まれてしまうことを指摘する研究がすでに出ている。 “節水型乾田直播と重イオンビーム” の続きを読む
「あきたこまちを守る会」県民集会(秋田県秋田市)
6月28日に秋田市で開かれた『「あきたこまちを作り続けたい」「あきたこまちを食べ続けたい」人のための県民集会』はすばらしいものだった。
いくつもの重要な問題が提起された。たとえば食味が違う。特に甘味、粘り、硬さの点で食味が違うという声が「あきたこまちR」を試食した人から多く聞かれた。でも、それ以上に気になるのはこの暑い夏に耐えられるか、ということだろう。
重イオンビーム放射線で遺伝子を損なった「あきたこまちR」と「あきたこまち」とのはっきりとした違いは塩基1つだけ、4億分の1の違いとなればほとんど同じと考えるかもしれない。でも、塩基の中にもキーストーンとなる働きを持つ塩基もある。その塩基が欠損したために生命としての維持能力に深刻な問題が出ることもある。おそらくそんな実例として「あきたこまちR」は今後記憶されることになるのではないだろうか? “「あきたこまちを守る会」県民集会(秋田県秋田市)” の続きを読む
土壌改良材でカドミウム汚染対策
重イオンビーム放射線育種米への転換を進める動機として、カドミウム汚染がある。カドミウム汚染対策は万策尽きて、重イオンビーム放射線育種品種に頼るしかない、ということなのか、調べていくと、そうではないことがわかる。海外での研究でも有機堆肥を活用することの有用性が確認されている。その実証研究が日本でも行われていて、土壌改良材を用いることで劇的に下がることがわかった。そして、その土壌改良材を用いた水田で作ったお米が食味コンクールで金賞を受賞した。うまくて安全、というのはこの上ないことではないか。しかも重イオンビーム放射線育種など使っていない。 “土壌改良材でカドミウム汚染対策” の続きを読む
放射線育種と「ゲノム編集」の関係
このままでは日本は遺伝子操作大国に? 世界でスーパーで「ゲノム編集」食品を今、売っている国は日本くらい。それだけでなく、主食を重イオンビーム放射線育種したものにしようとしている国も日本くらい。そして、さらに重イオンビーム放射線よりも汎用性の高い中性子線育種を民間企業が始めたが、これも日本だけ。 “放射線育種と「ゲノム編集」の関係” の続きを読む
「あきたこまちR」問題とは何か?
「あきたこまちR」「コシヒカリ環1号」などが全国に導入されようとしています。この動きにどんな問題があるのか、まとめて話してみました。1時間10分と長いですが、見ていただければ幸いです。
重イオンビーム放射線育種に関するよくある質問
https://v3.okseed.jp/ionbeam/faq
オンライン署名:わたしは、遺伝子を改変された「あきたこまちR」を食べたくありません!
https://act.okseed.jp/akitakomachir
有機認証は誰のもの?
世界で気候変動が激しさを増し、生物絶滅も想定を超えたスピードで進んでいる。多重危機が同時進行する私たちの世界。この危機を作り出している主因の一つが工業型の食のシステム。この変革はこの危機を克服する上で避けて通れない。
その一つの重要な指標になるのが有機認証である。有機認証というと、日本ではあまり注目されない。「いや、有機認証なんて不要」、そんな言葉も飛び交う。有機認証が工業型の食のシステムから食を守る上で大きな準拠枠となっていることはほとんど知られていないだろう。認証を取る上ではさまざまな問題もあって、取らない人もいる。認証を取るか取らないかはひとまず置こう。食を守る最後の砦として、有機認証をどう守るかを考えなければならないことをぜひ知ってほしい。 “有機認証は誰のもの?” の続きを読む
