「あきたこまちRは放射線育種でない」はとんでもないウソ

本当に日本が底抜けしそうで怖い。とんでもないデタラメがまかり通っているからだ。
 たとえば、「あきたこまちRは放射線育種ではありません」と説明して、それには問題がないと言いたい人たちがいるみたい。
 要するに重イオンビーム放射線をあてたのは「コシヒカリ環1号」だけであって、「あきたこまちR」はこの「コシヒカリ環1号」と「あきたこまち」を交配させたから「あきたこまちR」には直接重イオンビーム放射線はあててない、だから「あきたこまちRは放射線育種ではない」と言いたいのだろう。でもこれは明らかに誤り。なぜならば「あきたこまちR」は重イオンビーム放射線育種によって一部の塩基が欠損した「コシヒカリ環1号」の遺伝子を引き継ぐので、同じ形質を持つ、その点では同等品だ。だから、「コシヒカリ環1号」が重イオンビーム放射線育種品種として持つ問題はもれなく「あきたこまちR」にもついてくる。
 そればかりか、もし、これが「コシヒカリ環1号は放射線育種だけど、あきたこまちRは放射線育種じゃない」などと考えてしまうととんでもない論理矛盾に陥ってしまうことになる。 “「あきたこまちRは放射線育種でない」はとんでもないウソ” の続きを読む

『命を守る食卓』(宝島社)をコンビニで!

 鈴木宣弘さん、安田節子さんといっしょに関わらせていただいた本『命を守る食卓』について、本当ならあれこれ書きたかったのだけど、6月出版直後にサーバーの問題でサーバーの再構築までする羽目になり、体調もこれまでにない厳しい状態に追い込まれて、何も書けないまま、時間だけが過ぎてしまいました。遅くなってしまいましたが、この本について書きたいと思います。 “『命を守る食卓』(宝島社)をコンビニで!” の続きを読む

農水省:重イオンビーム放射線育種米を5割の都道府県に普及させる?

「あきたこまちR」の問題は秋田県だけの問題ではないと言い続けてきたけれども、農水省は2030年までに、なんと5割の都道府県にこの技術を普及させることを目標にする予算概算要求をしている¹。秋田県は先走りしただけで、政府が重イオンビーム放射線育種米を全国の主力品種にしようとしていることは明確だ。 “農水省:重イオンビーム放射線育種米を5割の都道府県に普及させる?” の続きを読む

隠蔽手段としての「あきたこまちR」

 「あきたこまちR」の問題、その本質は隠蔽だ。国はカドミウム汚染問題を当初から隠蔽する方向で動いてきた。それに対してかつて、秋田県はその方向に反対し、独自に調査を公表していたりしていた。その秋田県がなぜ、国の先棒をかつぐように変わってしまったのか。 “隠蔽手段としての「あきたこまちR」” の続きを読む

重イオンビーム放射線育種でも有機認証するって許される?

人はなぜ有機農産物を買おうとするのだろうか?
 それは有機農産物が農薬や化学肥料を使っていないから、体にいいから、環境を汚染したくないから、農家の健康が気になるから、地域社会への投資になるから、他の生命も傷つけたくないから、…いろんな理由があるだろう。 “重イオンビーム放射線育種でも有機認証するって許される?” の続きを読む

世界で反対が広がる遺伝子組み換え小麦(HB4)とは何か?

 遺伝子組み換え小麦(HB4)に対する反対活動が広がっている。欧米人の主食である小麦に対する遺伝子組み換えは強い抵抗に遭ってきた。もっともこれまで遺伝子組み換え企業の主たるターゲットになった大豆やトウモロコシは米国人にとっては家畜の餌かもしれないが、地域によっては主食である。フィリピン裁判所が止めたゴールデンライスは遺伝子組み換えのお米。
 どちらも人が直接食べるものであり、その健康への影響の懸念は大きい。もっともこれらの農作物の懸念は健康面だけに留まらない。なぜなのか、一言。 “世界で反対が広がる遺伝子組み換え小麦(HB4)とは何か?” の続きを読む