日本政府は今後の日本経済発展の源泉を知的所有権に求めて、農水省は2015年に知財戦略2020を作りました。「農業とは情報産業である」とまで言っています。その中で、種苗の知的所有権を強めるために登録品種も大幅に増やすとしてきましたが、その現実はどうなっているか。増えるどころか逆に日本だけ登録品種が激減してしまっています。
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種苗法改定の問題点
2020年3月3日、種苗法の一部を改正する法律案が閣議決定されました。
どんな問題があるのか、十分な報道がないため、学習会など開いて、議論していかなければいけないのに、新型コロナウイルスのために相次いで学習会がキャンセルに。
それでも国会での審議は進んで行ってしまうかもしれません。苦肉の策としてプレゼンファイルを使ってビデオにまとめてみました。 “種苗法改定の問題点” の続きを読む
アフリカと種子主権
気候変動による高温と乾燥が東アフリカを襲っている。アフリカ南東部のマラウィでは国の半分近い800万人が飢餓に直面しようとしている。しかし、この気候変動の危機よりももっと彼らを脅かそうとしているのが政府の種苗政策である(1)。 “アフリカと種子主権” の続きを読む
アジアの農家の権利を奪う種苗法改定
登録品種の自家増殖を禁止する種苗法改定に注目が集まりつつあるが、この動きが海外にもたらす影響についてはまだ十分知られていない。それはアジアや世界の農家の種子の権利をも制限しようとしている。 “アジアの農家の権利を奪う種苗法改定” の続きを読む
在来種を守る世界の動きー韓国の自治体によるローカルフード条例
在来種の種子とそれを使った食を大事にする政策においては韓国はとても進んでいることに驚く。韓国で活躍される 田中 博さんから教えていただいた(感謝)のだが、韓国の地方自治体では2つのタイプの条例が制定されているという。 “在来種を守る世界の動きー韓国の自治体によるローカルフード条例” の続きを読む
在来種を守る世界の動き(米国)
種苗法改訂案がもうすぐ上程されようとしている。農水省はこの種苗法改訂しても、農家には在来種があるから問題ない、バランスは取れているという。しかし、日本には在来種を守る法もない。民間企業のためには熱心に動くが、一方で個々の在来種を採種している農家の支援はなおざりである。農水省は在来種を守ることの重要性は認識しているといい、予算も出しているというがそれを根拠付ける法律もない。でも世界ではそうした法律や条令を作る動きがいろいろ出てきた。 “在来種を守る世界の動き(米国)” の続きを読む
インドの2019種子法改悪との闘いから学ぶ
日本で種苗法改悪に向けた動きがはっきりしてきたが、インドの場合は東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を離脱することで、その脅威から抜けられるのではないかと思っていたのだけど、残念ながらその動きは止まっていないようだ。新たな種子法改悪法案が出てきている。日本政府はなんとかインドをRCEPにつなぎとめたいようで、働きかけに必死だ(1)。
インドの種子をめぐるこの20年の動きは日本の今後の展開のプレビューではないかと思わせるほど、日本での現在の動きを思わせるようなことが何年も前から動いている。 “インドの2019種子法改悪との闘いから学ぶ” の続きを読む
種苗法改悪で地域の種苗の存続が危なくなる
種苗法がどんな影響を与えるか? まさに地方のあり方そのものに影響を与えると考える。そもそも地方自治体が育成し、提供する種苗はその地域での農業振興のために行われたものであり、優良な種苗が比較的安価で提供されてきた。その種苗で農家がその地域で営農を続けられれば、地域の関連産業含め、地域の収入が確保できて、その自治体も税収を得て、すべてが回っていくことができる。
しかし、種苗法改悪案では自家採種が禁止とされ、自治体の種苗事業もその種苗事業そのもので採算取ることが求められていくようになっていくだろう。そして民間企業(多国籍企業)と同じ条件で競争することが求められていく。そればかりか地方自治体が持っている種苗の育成のノウハウは民間企業に提供することが法律で定められている(農業競争力強化支援法)。 “種苗法改悪で地域の種苗の存続が危なくなる” の続きを読む