“「ゲノム編集」は遺伝子組み換え”を覆そうとするバイオテクノロジー企業

 世界で生物多様性が急速に失われている。その主要原因の1つが農業。かつて栽培されていた多様な地域の作物がグローバルな穀物に変えられる。野生動物の数が激減する中、家畜の動物の種親はごく一部の多国籍企業が握り、遺伝的に多様性のない生物が大規模増産されている。この事態こそ、感染症を激化させる原因であることはすでに多くの識者が指摘している。
 そして、さらに懸念されることはその生産される生物に遺伝子操作を施すことだ。生態系の未来に大きな懸念を与えることは必至だろう。しかも、その遺伝子操作を規制なしで実現させようと、バイオテクノロジー企業は世界各国に圧力をかける。 ““「ゲノム編集」は遺伝子組み換え”を覆そうとするバイオテクノロジー企業” の続きを読む

「ゲノム編集」表示ない流通は遺伝子組み換え企業天国実現のため

 政府の規制が急速になくされている、それがあたかもよいことであるかのように。しかし、それでどんな世界になってしまうか、ちゃんと想像して、その恐ろしさを感じて、手を打たないと大変なことになってしまう。
 日本では「ゲノム編集」食品は表示もせずに審査もなしに流通させることが認められてしまっている。これは何をもたらすのか? 遺伝子組み換え作物の栽培国であるカナダで大問題になっている(1)。 “「ゲノム編集」表示ない流通は遺伝子組み換え企業天国実現のため” の続きを読む

ローカルフード法・条例に向けた動き、5月9日開始!

 この間、世界で大きな食や農のあり方に変化が生まれてきていることをみてきました。戦後、世界に拡大した化学肥料や農薬と種子の3点セットを大きな企業が独占する工業型農業が大きな問題を引き起こし、土壌を破壊し、気候変動を引き起こし、生物多様性や人びとの健康も破壊してきたことに人びとが気がつき始めたことが大きいと思います。そして、生態系を守る農業、有機農業・アグロエコロジーに転換させることで、これらの危機から回復が可能になりますが、めざましい違いが感じられることが、その転換の拡大の後押しとなっています。世界各地から希望に満ちた動きが広がっています。
 
 問題は連鎖します。化学肥料を使うことで土壌の中の微生物との共生がダメージを受け、農薬が不可欠になります。そうした中で作られた種子はやはり化学肥料や農薬の使用なしにはなかなかうまく育ちません。この連鎖を断ち切るために世界が求めだしたのが何かというと、そうしたものを可能な限り、使わずに作られた地域に合った多様なタネです。
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農薬規制の抜け穴:種子コーティング

 農薬使用は米国でも規制される流れになっているが、まったく規制されていない抜け穴がある。それがタネへの農薬コーティング。米国で生産されるトウモロコシのほとんど、大豆の大部分の種子がネオニコチノイド系農薬などの農薬でコーティングされている。タネにコーティングされたネオニコチノイド系農薬は作物が生長するにつれて植物の細胞に埋め込まれる。それを食べた虫は死ぬ。その毒性は出荷される農作物でも維持され、健康にも影響を与えることが懸念される。
 虫だけではない。コーティングされた物質の大部分は土壌に溶け出し、土壌微生物や鳥などの野生動物にも影響を与えていることが知られるようになってきている。ネオニコチノイド系農薬の規制は強まる傾向だが、この種子コーティングは現在、米国では環境保護局(EPA)では把握すらしておらず、規制法も存在していない。
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食品表示:世界のNon-GMOラベル

 食品表示シリーズ、No.4。すでに登場したものもあるのだけど、Non-GMOラベルで出ていないものがあったので、まとめてみた。
 米国とヨーロッパでよく使われているNon-GMOラベル。米国、英国、ドイツ、オーストリア、ルクセンブルク、スロベニア、フランスのもの。これ以外にもスーパーなどが独自で表示したものなども含めるとすごい数になるだろう。

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