「ゲノム編集」食品は、いったい現在、どれだけ出回っているか? 世界中が騒いでいるのに実質現在、流通しているのは日本の3品種(トマト、マダイ、トラフグ)だけ(1)。それもオンライン販売などに限られ、一般のスーパーにはまだ出回ってはいない。市民の過半数が食べたくないと言っているものを無理に出せば、たちまちボイコットキャンペーンが立ち上がって、挫折してしまうから、今は、消費者が「ゲノム編集」食品を受け入れることに全力を注入しているのが現状と言えるだろう。 “「ゲノム編集」の拡大を止めるのは地域から” の続きを読む
統一協会問題と全米祈祷朝食会ーザ・ファミリー
一連の「統一協会問題」の曝露を見ながら、このドキュメンタリー映画のことを思い出していた。
『ザ・ファミリー 大国に潜む原理主義』(1)。
全米祈祷朝食会を通じて、国会議員はもちろん、共和党や民主党の大統領にも、いや世界の指導者にさえも影響力を及ぼすダグ・コー率いる「宗教団体」の活動を追ったものだ。この「宗教団体」が掲げる主張は原理主義と言われるが、一見、何気ない家族や愛という当たり前の概念が繰り返されるだけ。統一協会のような極端な表現ではない。しかし、その内実は、性的な役割分業を決めつけ、支配的価値観をじわじわと強化する、結果としては白人男性を中心とした政治権力の維持、原理主義的と言わざるを得ないような保守的な価値観へと社会を閉じ込めていく。 “統一協会問題と全米祈祷朝食会ーザ・ファミリー” の続きを読む
細胞農業は羊頭狗肉
培養肉をめぐる動きが加熱している。でもその熱は新たな技術の可能性による熱狂ではなく、独占を実現できそうだと幻想を持つ投資家の熱狂に過ぎないようだ。この技術への幻想が晴れれば市場が崩壊するのは間違いなさそうである。問題なのは、この騒動にわたしたちの税金が投入されようとしていることだ。しかも、ろくな議論もなく、責任もはっきりしない形で。
細胞培養肉とは幹細胞を取り出し、それをバイオリアクターで細胞分裂させて培養して肉にしていくものだ。動物を殺さなくても肉が作れるから動物愛護になるとか、牛のゲップのような気候変動ガスを作らずに肉が作れるから気候変動対策になるとか、食料危機対策になるとか、抗生物質使わずに安全な食ができるとか宣伝されている。しかし、実際にはそれとはほど遠い現実が見えてきた。そのギャップを埋めてくれる上で貴重な情報がある(1)。もし、あなたが大金持ちで将来性のある産業に投資したいというのであれば、ちょっと長いが、この情報は必ず目を通すべきだ。培養肉関係はやめておくという結論になるだろう。 “細胞農業は羊頭狗肉” の続きを読む
失敗が宿命付けられたCRISPR−CAS9による「ゲノム編集」生物
新しい技術は必ず世界をいい方向に変えるという考えを科学技術信仰と呼ぶとすると、いつの間にか、無意識のうちに自分も含めた多くの人間がそれに染まっているのかもしれない。遺伝子組み換え作物栽培が急速に広まったことはその傾向を補強しているだろう。でも実際には遺伝子組み換え作物は災難と呼ぶより他ない品種しか作れなかった。「ゲノム編集」もそれに輪をかけたものになる可能性が高い。そして細胞培養肉も。
この技術はちょうど10年前に論文が発表された。「正確に狙った遺伝子だけを破壊できる」技術だと宣伝されて、特許を巡って巨大なお金が飛び交うホットな技術となった。そして2020年にはノーベル化学賞まで受賞した。
しかし、その大騒ぎに反して、根本的な欠陥が指摘され、CRISPR-Cas9を使った「ゲノム編集」食品の流通が行われているのは日本のわずかな3品種だけだ(流通といっても一般のスーパーなどでの流通ではなく、オンライン販売やふるさと納税の返礼品などに限られる)。
その欠陥とは何か? “失敗が宿命付けられたCRISPR−CAS9による「ゲノム編集」生物” の続きを読む
フード・デモクラシーと日本
日本は本当にどうにかなってしまいそう。頭が混乱する。こんな時、外の動きを見ることで落ち着きを取り戻せるかもしれない。
MST(Movimentos dos Trabalhadores Rurais Sem Terra、直訳すると土地なし地方労働者運動、土地なし農業労働者運動)はブラジルが軍事独裁政権が終わろうとする1984年頃結成され、農地改革を求めて、農業労働者を組織して、活動してきた運動団体。その運動が辿ってきた道、論争は興味に尽きないものがある。 “フード・デモクラシーと日本” の続きを読む
「みどりの食料システム戦略」に関するパブリックコメント出しました(第2弾)
「みどりの食料システム戦略」に関するパブコメ、締め切り当日なのだけど、昨日出したコメントは農薬について、何も言及しなかったので、あらためて、農薬についての追加のコメントを出します(例によってコメントという体裁になっていませんが)。 “「みどりの食料システム戦略」に関するパブリックコメント出しました(第2弾)” の続きを読む
「みどりの食料システム戦略」に関するパブリックコメント出しました
明日8月9日締め切りの「みどりの食料システム戦略」に関するパブリックコメント、何も書かないのは不本意なので、書いてみました。殴り書き状態で、全然模範的なコメントからはほど遠いのですが、あえてさらします。 “「みどりの食料システム戦略」に関するパブリックコメント出しました” の続きを読む
みどりの食料システム戦略に関するパブリックコメント
「みどりの食料システム戦略」に関するパブコメが相次いで出ている。1つは締め切りが8月9日。
環境負荷低減事業活動の促進及びその基盤の確立に関する基本的な方針(案)についての意見・情報の募集について
さらに8月25日が締め切りのパブコメも。
環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律第39条第4項の規定に基づく基盤確立事業実施計画の認定に係る審査基準及び標準処理期間案についての意見・情報の募集について “みどりの食料システム戦略に関するパブリックコメント” の続きを読む