政府は今の方向が唯一の方向であると言い切るが、本当にそうか? 種子の知的財産権を守るUPOV条約の遵守こそが日本の農業を発展させる唯一の道だとして種苗法も改正してしまったが、UPOV条約を作り出した本家のEUでは、そのUPOVの原則を変える重要な種子政策を2022年1月から実施している。UPOV条約体制下では無視される有機農家の在来種を販売可能とする画期的な転換が行われた。 “EUで始まった有機在来種販売合法化” の続きを読む
バイオテクノロジー技術の規制は不可欠
世の中の注目がウクライナへのロシアの戦争に注がれている間に、世界の巨大企業は史上最大級の利益を上げている。生存すら危機的な状況に追われる地域の中小企業や労働者、農家は少なくないというのに、理不尽さばかりが募る。気候危機や生物絶滅危機への対策は次から次へと反故にされる。世界の生命にとっては踏んだり蹴ったりである。
EUでは今年12月にモンサントの農薬グリホサートの使用許可期限を迎え、使用禁止の確定がされることを多くが待っていた。ところがそれが再び2023年7月に延期された(1)。7ヶ月、延ばされるということはその期間、販売して利益を確保できるわけでモンサント(現バイエル)にとっては朗報であり、脅かされる命にとっては悲報である。そして、EUでの「ゲノム編集」生物の規制緩和の動きもある(2)。戦争が続く中で、巨大企業は着々とさらなる利益を確保している。英国でもその動きは続く(3)。 “バイオテクノロジー技術の規制は不可欠” の続きを読む
「ゲノム編集」された豚の人への移植:新たな危険
心臓病で苦しむ患者に「ゲノム編集」された豚の心臓が移植されたが、わずか2ヶ月でその患者は亡くなった。その原因は移植された豚の心臓がウイルスに汚染されていたからのようだ。
心臓病で苦しむ人たちにとって生きる希望をもたらすはずの臓器移植、しかし移植できる臓器の数は限られており、人間に近い臓器を持つ豚が活用されたわけだが、種の異なる心臓を人間に移植すれば人間の免疫機能はそれを拒絶する。その拒絶反応をさせないために「ゲノム編集」されていた。 “「ゲノム編集」された豚の人への移植:新たな危険” の続きを読む
EU、「ゲノム編集」規制緩和の圧力に屈する?
すでに想定はされていたけれども、最悪のシナリオが現実のものになりそうだ。EUが「ゲノム編集」を来年夏から規制なしの流通を認める方向で動き出した。 “EU、「ゲノム編集」規制緩和の圧力に屈する?” の続きを読む
ラウンドアップ裁判が映画化
なぜ、世界が禁止に向かうのか、なぜ日本ではそれが逆にバーゲンセールになるのか、そんな理不尽を象徴するのがモンサント(現バイエル)の農薬ラウンドアップ。
あれこれ言うより、証言が重い。 “ラウンドアップ裁判が映画化” の続きを読む
“「ゲノム編集」は遺伝子組み換え”を覆そうとするバイオテクノロジー企業
世界で生物多様性が急速に失われている。その主要原因の1つが農業。かつて栽培されていた多様な地域の作物がグローバルな穀物に変えられる。野生動物の数が激減する中、家畜の動物の種親はごく一部の多国籍企業が握り、遺伝的に多様性のない生物が大規模増産されている。この事態こそ、感染症を激化させる原因であることはすでに多くの識者が指摘している。
そして、さらに懸念されることはその生産される生物に遺伝子操作を施すことだ。生態系の未来に大きな懸念を与えることは必至だろう。しかも、その遺伝子操作を規制なしで実現させようと、バイオテクノロジー企業は世界各国に圧力をかける。 ““「ゲノム編集」は遺伝子組み換え”を覆そうとするバイオテクノロジー企業” の続きを読む
「ゲノム編集」表示ない流通は遺伝子組み換え企業天国実現のため
政府の規制が急速になくされている、それがあたかもよいことであるかのように。しかし、それでどんな世界になってしまうか、ちゃんと想像して、その恐ろしさを感じて、手を打たないと大変なことになってしまう。
日本では「ゲノム編集」食品は表示もせずに審査もなしに流通させることが認められてしまっている。これは何をもたらすのか? 遺伝子組み換え作物の栽培国であるカナダで大問題になっている(1)。 “「ゲノム編集」表示ない流通は遺伝子組み換え企業天国実現のため” の続きを読む
みどりの食料システム戦略のパブコメスタート
「みどりの食料システム戦略」を支える環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律の成立を受け、その施行規則などに関するパブリックコメントが始まった。締め切りは5月31日。 “みどりの食料システム戦略のパブコメスタート” の続きを読む