「ゲノム編集」食品が外来DNAを含まないという主張がウソである理由

「ゲノム編集」食品は外来の遺伝子や塩基が入っていない、だから自然と同じと政府や推進企業は言うけれども、それは何重にも誤り。『ゲノム編集ー神話と現実』の著者クレア・ロビンソンさんがそれを実際の研究論文に基づきながら説明している。
 
 要点をまとめると、

  1. CRISPR-Cas9自体に大腸菌のプラスミド由来のDNAが入り込む
  2. CRISPR-Cas9を挿入する際に使うアグロバクテリウム(土壌細菌)由来のDNAが入り込む
  3. 動物の「ゲノム編集」の場合はウシ胎児血清(あるいはヤギ)が使われるケースがあるがそのDNAが入り込む
  4. 戻し交配によって排除するというがその排除には手間がかかるので完全な排除は期待できない
  5. 細胞培養プロセスの中で外来DNAを取り込んでしまう。

 
 「ゲノム編集」で現在、一番使われているCRISPR-Cas9は細菌由来の遺伝子だが、これが対象の生物の特定の遺伝子の二重鎖を破壊する。その破壊の際に、いっしょに挿入した遺伝子や遺伝子の部品である塩基がそこに入り込むことは頻繁に起きる。現在、流通が日米政府などでは無表示・無規制で認められるものは外来遺伝子の入っていないものだが、実際には外来DNAが入り込むことは頻繁に起きている。
 
 まず、1の大腸菌のプラスミドのDNA。CRISPR-Cas9は「ゲノム編集」の効果を高めるために大量注入しなければならない。そのために大腸菌のプラスミドの中にCRISPR-Cas9の遺伝子を入れて増幅させるのだが、そのため、大腸菌のプラスミドがいっしょに入り込んでしまうことがある。
 また、植物細胞にそのCRISPR-Cas9を挿入する際にはアグロバクテリウム(土壌細菌)が使われるケースが多いが、このアグロバクテリウムのDNAが入り込んでしまう。
 
 動物の「ゲノム編集」の場合はウシ胎児血清が使われることが多いが、そのため、ウシ由来の遺伝子がその「ゲノム編集」された動物に入り込んでしまう。
 
 こうして入ってしまった遺伝子は戻し交配を続けることで第2世代、第3世代からは排除できるけれども、実際にはそうすることには大きな手間がかかってしまい、排除できているかの検査も大変なので、結局、おかしな遺伝子が入ったままの生物が作られてしまうことは起こりうる。
 
 だから「ゲノム編集」食品は自然と同じなどと言うことはできず、百歩譲って認めるとしても、その厳格なモニターは不可欠なのだが、行われていない。結局、「ゲノム編集」は遺伝子組み換えVer.2以外の何ものでもなく、それにも関わらず、規制しない、というのはまったく遺伝子組み換え企業に忖度して作り上げた非科学的な政策であることは明瞭。このようなおかしな遺伝子を取り込んだものばかり食べる未来にしてはいけないはず。表示・規制しない政策は撤回させなければならない。

Why claims that gene editing doesn’t involve insertion of foreign genes or DNA are false
https://gmwatch.org/en/106-news/latest-news/20138

『ゲノム編集ー神話と現実』
https://okseed.jp/genomemyths.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA