原発の嘘と同じくらい、あるいはそれ以上に遺伝子組み換え作物の嘘はひどい。今なお多くの人がその嘘を信じてしまっている点において。
「遺伝子組み換え食品は安全です」そう言い切れない事実はいくつも積み上がっている。だけど、人体実験して、はい危険です、と出せない難しさは残る。
しかし、
「遺伝子組み換え農業は世界を飢餓から救う」「遺伝子組み換え農業は増大する世界の人口を養うのに必要だ」「遺伝子組み換え農業は生産性を上げる」
これらは実際のデータから結論が出せる。そして、Union of Concerned Scientistsは2009年に、保守的な米国科学アカデミーも今年、遺伝子組み換えが生産性を向上させないことを確認している。
それにも関わらず、そうした嘘が流通し続ける。ショックだったのは生協関係者まで「遺伝子組み換えは健康などに不安があるから避けた方がいいけど、世界の食料を確保するためには必要なのでは」と言われたこと。それはまったく嘘であることははっきりしているのに。
だからいくつもしつこくデータをあげて、それが嘘であることを書いてきた。
米国科学アカデミーですらそれを認めている。このアカデミー、判断を下す委員会の過半数がバイオテク企業から金をもらっている人間だ。それでも認めざるを得ないのがこの現実。
その現実をNew York Timesがまとめた。GMOを選択した北米よりも、Non-GMOにとどまったヨーロッパの方が生産性が高い。さらにGMOで農薬が減るという宣伝も実際には増えていて、Non-GMOの方が農薬を減らせる。
それならばどうして南北米大陸ではその生産性の低いGMOが生産のほとんどを独占したのか、ということになる。これは悪貨は良貨を駆逐するということの典型例であり、悪貨を許した政治がそれを可能にしたというしかない。TPPはその政治がグローバル化する危険をもたらす。
これまで悪貨を許してこなかった地域もTTPの登場によって、危険にさらされる。新世代の遺伝子操作技術、RNA干渉、ゲノム編集、合成生物学などは規制もなく、入り込んでくる可能性が十分ある。合成生物学は工場なので農地の耕作にもならず、町中に入ってくる可能性もあるかもしれない。
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