現在、店頭に並んでいるバナナの絶滅はそう遠くないと言われている。その原因はモノカルチャー。遺伝的にまったく同じバナナが大量生産される。そのため菌病により絶滅は確実視されている。かつて世界を独占した品種グロス・ミッチェルが終わりとなり、現在の品種のキャベンディッシュも何年持つかわからない。同じ過ちを繰り返している。
キャベンディッシュに菌に強い品種を挿し木して菌病に強い品種を作ることも試みられているが、成功はおぼつかず。オーストラリアの研究所は菌病に耐性のある遺伝子組み換えバナナの栽培に成功。
そのバナナが作られる産地で働く労働者の労働環境は今なお驚くほど過酷だという。使われる農薬が原因と考えられる不妊、腎臓病などを含むさまざまな深刻な慢性疾患。その声は消費者のもとにはなかなか届かない。
われわれは労働者と環境を傷つけながら、遺伝子組み換えバナナに頼るしか未来はないのか?
絶滅しかけているキャベンディッシュ以外にも多様なバナナの品種が今もなお、小農民の手によって作られている。プランテーションで作られるプランテーション・バナナと異なり、その地バナナは自然の多様性に守られて育っている。
そもそも植物は共生菌に守られて育つ。共生菌は病原菌から植物を守る。しかし、大量の農薬使用やモノカルチャーによって土壌の細菌叢は大幅に痛めつけられ、病原菌の活動を止めることができない。さらに使われる殺菌剤が土壌の細菌叢を痛めつける。
自然と共生する農法、プランテーションではない小農民主体のバナナ生産は可能である。このドキュメンタリー映画、BANANAGEDDONはその可能性を描く。現在、クラウドファンディング中。
BANANAGEDDON