Rio+20/ピープルズ・サミット: ブラジル市民組織情報(1)

1992年の国連環境開発会議(UNCED)から20年、大きな会議(Rio+20)がリオデジャネイロで行われる。

原発の世界的廃止に向け、日本からも多く人が参加する。その声をリオを通じて世界に発信することはきわめて重要だろう。

この20年、南米は巨大な開発の波に第2の植民地化が進んだ時期と言ってもいい。その中で先住民族や小農民が犠牲となっているが日本ではほとんど報道されない。その意味でもそうした人たちの声を聞くことができる機会でもある。

そのためにブラジルの市民組織についてごく簡単にまとめたい。

IBASE (Instituto Brasileiro de Análises Sociais e Econômicas) ブラジル社会経済分析研究所

1981年創立、ブラジルの中心的なNGO。「社会を民主化するために情報を民主化しよう」というスローガンの元に政府の情報を分析・調査し、さまざまな媒体を使って市民をエンパワーする活動を行ってきた。以前はブラジル初となるインターネット・プロバイダーでもあるAlterNexを運営し、APC(Association for Progressive Communications、進歩的コミュニケーション協会)の本部ともなっていた。ビデオやラジオ番組制作部ももち、早くからマルチメディア的展開をしていた(現在はマルチメディア部門はない)。
1993年からブラジル全土を巻き込んだ巨大な運動、飢餓に対決する命のための運動(通称、反飢餓キャンペーン)でも大きな役割を果たし、2001年からの世界社会フォーラムの実現でも中心的な役割を果たす、キーとなる団体。
最近ではブラジル開発銀行(BNDES)の融資のあり方について問いかけるフォーラムを運営している。ブラジルが海外にも融資する時代になって、こうした活動はさらに重要になってきている。
FASE (Federação de Órgãos para Assistência Social e Educacional)
1961年創立。軍事独裁時代からブラジル各地に拠点を持ち、民主化のための抵抗の拠点になってきた。各地で小農民支援、教育活動を展開。IBASEと共に農地改革や開発プロジェクトの矛盾、ジェンダー問題などの調査、活動を行ってきた。Rio+20でも中心的な役割を果たしている。
AS-PTA – Agricultura Familiar e Agroecologia
家族農業とアグロエコロジーのための適正技術の普及、政府の政策に対するロビー活動なども行っている。小農民支援においては具体的な経験を持ち、信頼できる。
IDEC (Instituto Brasileiro de Defesa do Consumidor、ブラジル消費者支援研究所)
Greenpeaceと共にブラジルにおける遺伝子組み換えに対して訴訟を起こし、その禁止を勝ち取るなど、消費者の立場からその権利獲得に向けて運動している(結局、その後、遺伝子組み換えは無理矢理合法化されてしまうが)。現在はインターネットへのアクセスの権利、ブロードバンドの計画への市民権を確保するための活動などを行っている。

続く(リクエストあればコメントお願いします)

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