Rio+20ではリオデジャネイロ市街から30kmほど離れたリオセントロで国連の公式会議が開かれる。リオデジャネイロの市街、フラメンゴ公園(フラメンゴの埋め立て地に作られた公園)では3万人もの世界からの社会運動、NGOなどが参加してピープルズ・サミットが開かれる。
さらにリオデジャネイロから遠く離れてアマゾン奥地のアルタミラでXingu+23という会議が13日から17日まで開かれる。これは現在、建設が強引に進められているベロモンチダムに反対する先住民族、川の民、アルタミラの住民、支援団体・個人が開くもので、ダムの建設を進めるブラジル政府に対して強い反対の意志を表示しようというものだ。
Xingu+23のサイト
この+23とは23年前の1989年にベロモンチダム建設が止まった、それから23年を意味している。ベロモンチダム建設は軍事独裁時代の70年代に計画され、それ以来、長い反対の闘いが続けられてきた。そして昨年ついに建設が始まってしまった。
昨年作られた以下のビデオは建設が始まる直前の状況を語る。
昨年建設開始以降、大きな問題がすでに作られてしまっている。政府は住民に対して影響力を最小限にするための施策を保障した。しかし、それは裏切られ、契約された大勢の労働者が来ているにも関わらず、町の病院などのインフラはそのまま、少女買春の急増、さらにはその労働者の労働条件を巡るたびたびのストライキなど混乱が続いている。川のせき止めも始まり、水が濁り、川で生活する人びとの生活に直接的な影響が生まれてしまっている。
この動きに対して、前環境大臣で先の大統領選で善戦したマリーナ・シウバ、ブラジル音楽の巨匠で元文化大臣のジウベルト・ジル、解放の神学者として有名なレオナルド・ボフなど著名人も賛同し、ベロモンチダムを止めるために動いている。
しかし工事は進み森林破壊は広がっている。その状況を伝えるAPFの番組(ポルトガル語)
ベロモンチダムの他にもアマゾンに多数のダム建設が進められようとしている。ダム建設はアマゾンの生態系に大きな影響を与える。このRio+20が終わると一斉に建設が加速するのではないか、先住民族や環境問題に関わる人びとにはそうした懸念がある。こうして開発されるダムの多くはアマゾンでの鉱山開発のためのエネルギー、あるいはアマゾンに建設される工場などで使われる可能性が高い。いずれにしてもアマゾンとその住民には何のメリットももたらさない開発計画である。こうした現状にはぜひ目を向けてほしい。