なぜサンゴが海の40%を支えられるのか?

 植物は自ら光合成で作り出した炭水化物の4割近くを根から放出し、土壌微生物に与える。土壌微生物は植物から炭水化物を受け取る一方、さまざまなミネラル、水分を植物に渡す。お互いが生きていく上で不可欠なパートナーとなる。土壌学者がこの関係を「共生」と名付けた。地球の多くの生命を支えるベースにこの「共生」がある。しかし、工業的農業がこの「共生」を壊してきた。そして、今、この地球の生命が危機に曝されている。
 それでは海の方はどうなっているだろう? 海は生命が生まれた場所とされるが、その「共生」のストーリーはまだまだ十分に注目されているとは言えない。 “なぜサンゴが海の40%を支えられるのか?” の続きを読む

アマゾン破壊の資金提供を止めたノルウェーとドイツ、日本とは正反対

またアマゾン森林火災のことを書く。またかと思われるかもしれないけれども、この問題は私たちの食や日本における民主主義の問題に深く関わっている。食や農、遺伝子組み換えの問題も、種子の問題も、アマゾンの問題も大きな1つの問題を成す要素であり、別の問題ではない。アマゾン森林火災は日本でも報道されるようになっているが、日本政府の対応がいかに他の政府と違っているのか、残念ながら報道されていないので少し詳しく書きたい。 “アマゾン破壊の資金提供を止めたノルウェーとドイツ、日本とは正反対” の続きを読む

日米貿易協定と日本の危機

 日本の食・農業が今まで以上に危機的な状況にされようとしている。日米貿易協定が情報も公開されずに締結されようとしているからだ。中国に売れなくなった米国の余剰トウモロコシの買い付け問題が大きな関心を呼んでいるが、この一連の問題は想像以上に深刻なものがある。
 その問題を考える前に、この問題をアマゾン破壊との関連から考えてみたい。 “日米貿易協定と日本の危機” の続きを読む

アマゾン破壊と日本(その11)誰がアマゾンを燃やしているのか?

誰がアマゾンを燃やしているのか?

 日本での受け止めの中で驚くのがこのアマゾンの森林火災をあたかもブラジル人の農家が焼き畑でやっていたものが拡がってしまったかのような情報が受け入れられていること。貧しい人たちが主犯のように思っているのだろうか?
 この大規模な森林火災の背景に指摘されているのはそのような農家ではなく、放牧地や農地、鉱山開発を狙う多国籍企業である、というのは多くが一致した見解であり、だからこそ、そのような企業のボイコットがよびかけられようとしている。でも、日本では違う方向に行ってしまいかねない。 “アマゾン破壊と日本(その11)誰がアマゾンを燃やしているのか?” の続きを読む