気候危機を変えられるのは実は食。食のあり方を変えることで気候緊急事態に対処しようと、世界の市民、自治体関係者が集まり、画期的なグラスゴー宣言を14日に出した。 “気候危機に対して食を変えろ! グラスゴー宣言賛同都市に!” の続きを読む
「ゲノム編集」トマトの問題点
とうとう「ゲノム編集」されたトマトが厚労省と農水省に届け出された(1)。開発した筑波大学の研究者であり、その研究からできた「ゲノム編集」トマトの品種を売るサナテックシード株式会社取締役である江面浩氏によると、届け出後、試験栽培した種子を農家に渡し、すぐに商業栽培が始まるという。ただ、まだ種子の増殖段階なので、トマトの出荷はもう少しかかるとのこと。
まず第1に押さえておきたいのは、これはアドバルーンではないかということ。つまり本格栽培される「ゲノム編集」作物の本命はこれを親にして作られる後代交配種ではないかということ。そしてこのトマトは「健康にいいGABAを含む消費者にとっていい技術なんだ」ということを刷り込むために打ち上げられた広告塔に使われるのではないだろうか? “「ゲノム編集」トマトの問題点” の続きを読む
稲葉光國さんのビジョン
民間稲作研究所の稲葉光國さんが今朝早く亡くなった。その報せに呆然として何も手に付けることができなくなった。
稲葉さんがいなければ全国の学校給食を有機にするなんていうのは夢の夢だっただろう。いすみ市の学校給食のお米がすべて有機米にあんなに早くできたのも稲葉さんの技術指導なしには考えられなかった。稲葉さんの話を伺うと、日本の食を自給し、しかも有機にすることが夢物語ではなくなると思えてくる。日本のあちこちから、うちでもやりたい、という声が出てきていた。有機転換したい農家とそれを応援する消費者、地方行政が組むことで効果的な取り組みができそうだ、この動きを日本各地で、と胸は躍った。 “稲葉光國さんのビジョン” の続きを読む
種苗法改正後の企業的食のシステムをどう止める?
種苗法改正で米がどう変わってしまうか、と書いたシナリオ、唐突に思われた方も多いかもしれない。しかし、すでに稲の登録品種を作る企業や米卸の大手には添付した図のようなビジネスモデルが作られている。
どちらもタネで農家(農業法人)を囲い込み、収穫は全量買い取りするというもの。特に最初の例では、ライセンス契約で化学肥料、農薬の使用についても規定されるので、独立した生産者との関係というよりも、委託生産、委託労働という要素が強くなってしまう。無農薬で作ってしまっては契約違反になってしまう。 “種苗法改正後の企業的食のシステムをどう止める?” の続きを読む
マスメディアが語らない種苗法改正。シナリオはこうなる。
これまで日本の主なお米の品種を作ってきたのは地方自治体。コシヒカリもササニシキもゆめぴりかも地方自治体の農業試験場が育成したもの。今なお、わたしたちが食べるお米の99%はこうした公共品種(国・農研機構も含む)が占めている。地方自治体の予算からすればほんのわずかな公共投資に過ぎない種苗予算はここまで日本の食を支えてきた。 “マスメディアが語らない種苗法改正。シナリオはこうなる。” の続きを読む
「ゲノム編集」トマト、種苗法改正案成立直後に
「ゲノム編集」されたトマト、国に販売に向け相談をしたとの報道。実際の販売はまだ先になるとしても、国内でいよいよ遺伝子操作食用作物の栽培が始まってしまうかもしれない。 “「ゲノム編集」トマト、種苗法改正案成立直後に” の続きを読む
ローカルフード育成支援条例/法制定に向けて
種苗法改正案可決ということで今後どうすればいいだろう。まったく合理的根拠もない法改正なのだから、無効を訴えたり、法の変更を求めることは必要だが、一方で、施行に対しての準備もしなければならない。
たとえば、特に公共種苗の許諾料を課さない(あるいはそもそも許諾を求めさせない)ことを求めるなどの要求も必要になるかもしれない。ここでは一度、全体の流れを考えてみたい。 “ローカルフード育成支援条例/法制定に向けて” の続きを読む
審議で明らかになった種苗法改正案の10の問題
本日、種苗法改正案、参議院本会議で可決で成立へ。本会議では賛成討論も反対討論も行われず、その所要時間たった2分40秒ほど。虚偽のデータを元に法案が説明され、質疑にも虚偽答弁、正確な現実がどうなっているのか、まともな弁明もないまま成立させられたことになる。農水省・政府による虚偽の説明、答弁の責任は問われることもなく。
この間の答弁(わずか衆参合わせて10時間20分)で問題となった部分をざっと箇条書きで書いてみよう。 “審議で明らかになった種苗法改正案の10の問題” の続きを読む