食料危機に日本は明らかに脆弱すぎるのになぜ日本政府はこれまで抜本的な対策を取らなかったのか? 米国の食料戦略が日本政府の思考の前提となってしまっているからだ。飢えるかもしれないという事態に対して、政府官僚は「解決策は農産物輸出だ」などと平気で応える。民が飢えるのにどうして農産物輸出? なんでそんなに愚かなの? エリートなんでしょ? なぜそうなってしまうかというと、彼らが米国の農産物輸入が大前提というマインドコントロール状態だからだ。食料自給率を上げたら、輸入ができなくなってしまう。彼らは食料自給率を上げるポーズを見せるが、本音では御法度なのだ。だから「日本の農業の発展は輸出以外ない」という話になってしまう。
でも、弱った日本の農業でなぜ輸出で稼げるの? そこで持ち出されるのが技術依存政策(しかも「ゲノム編集」などのバイオテクノロジー)になる。
この輸出・技術依存政策は彼らの農業政策の柱である。でももちろん、輸出で儲かるのは一部の企業だけだ。しかも成功する確率は高くない。その利益のおこぼれは農家にはほとんど届かない。 “食料危機をどう回避する? 乗り越える?” の続きを読む
食料危機で日本はどう変わるか?
なぜ、日本のメディアは大騒ぎしないのか。かつてない危機が日本に迫っている。その危機は他の先進国には存在していない。先進国の中では日本だけだ。食料危機である。ファイナンシャルタイムズはこう警鐘を鳴らす。「以前からその兆候はあったが、日本は一時的な現象と考えて行動を起こさなかった。今からコースを変えるには遅すぎるかもしれない」(1) “食料危機で日本はどう変わるか?” の続きを読む
食料危機・気候危機に対処するためにローカルフードへ
参院選が終わった。ますます世界に背を向ける日本になってしまった。気候危機も食料危機も関係ないかのよう。でも実際にはこの危機は私たちを確実に痛みつけているし、今後、さらに加速することは確実だ。
確認しておこう。米国の化学肥料価格指数は今なお高騰状態でBloomberg系のサイトで、2002年の100から現在の889.6と8倍を超えており、2年前の数値と比べても、2.76倍と3倍近い数値を示している。3割上がったとかではなく、一桁上の3倍近い異常なレベルで高留まっている(1)。
世界の穀物生産はウクライナ戦争だけでなく、気候危機によって大きな影響を受けている。それに加えて、化学肥料が買えない事態になればどうなる? “食料危機・気候危機に対処するためにローカルフードへ” の続きを読む