合成食は世界に何をもたらすか?−培養肉が持つ致命的な欠陥

 合成食が食のシステムを変えようとしている。合成食−つまり、細胞培養肉や合成生物学を利用した食(合成生物学は究極の遺伝子組み換えと言われる。生物の遺伝子を書き換えるのではなく、人間が遺伝子を設計した合成生物を作る技術)。巧みな広告戦略を使って、合成食があたかも気候危機対策になる、動物を傷つけない、動物愛護につながるかのような議論で、環境保護や動物愛護関係者が宣伝に一役買おうとしている。
 でも、その中身を吟味していくと、その本質は現在の工業的農業、工業的食そのものにぶち当たり、むしろ、現在の世界の危機を作り出している張本人たちがその推進者であることが見えてくる。 “合成食は世界に何をもたらすか?−培養肉が持つ致命的な欠陥” の続きを読む

みどりの食料システム戦略衆院農水委員会での審議

「みどりの食料システム戦略」のための法案「環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案」衆院農水委員会通過。衆院本会議の後、参議院での議論へ。満足得られる議論がされたか、検証してみたい。 “みどりの食料システム戦略衆院農水委員会での審議” の続きを読む

調査:オランダと日本の年金がアマゾン森林を破壊する

 アマゾン森林の破壊がピッチをさらに上げている。最後の残された森は先住民族の土地として憲法に守られている森。ところが極右政権はその土地の開発を可能にする憲法違反の第490法案(PL490)を無理矢理通して、最後の森までをも破壊しようとしている。
 狂気の沙汰? しかし、この狂気はそれを支える勢力があるから権力を維持できる。この破壊にガソリンを供給する勢力があるから破壊が進んでいる。それを支えているのは誰なのか? わたしたちを含む世界なのだ。 “調査:オランダと日本の年金がアマゾン森林を破壊する” の続きを読む

「みどりの食料システム戦略」での農水省の市民の声への対応は?

 健康危機、気候危機、生物大量絶滅危機というかつてない危機に対して、世界中で有機農業・アグロエコロジーの強化が求められ、それが着実に進展する中、日本では伸び悩む。だから「みどりの食料システム戦略」で有機農業を2050年までに25%にする、という提案を聞いた時、少なからぬ人にとって、一筋の希望に見えたはずだ。
 わずか2週間という通常の半分のパブリックコメントに17000以上のコメントが寄せられたという。その中には農家の存続支援や有機化の進展を求める切実な声が多く寄せられたことは間違いないだろうし、「ゲノム編集」やRNA農薬などのバイオテクノロジーの採用はやめてほしいという声も圧倒的に寄せられたことだろう。それはどう反映されたのか? “「みどりの食料システム戦略」での農水省の市民の声への対応は?” の続きを読む

多国籍企業による食のシステムの乗っ取り

 タネから流通まで、そして食のあり方まで巨大企業が乗っ取る、国連を乗っ取り、各国政府の政策まで決めていく。今、そんな動きがはっきり見えてきた。遺伝子組み換え企業だけでなく、今やAI、ビッグデータ、インターネット企業、金融セクターが結びつき、この乗っ取りが動き出している。
 国連は世界食料危機を契機に、食の政策については農民団体、市民組織に開かれた制度改革を打ち出し、小規模家族農業と生態系を守るアグロエコロジーの2つを柱する政策に大きく転換していた。世界で有機農業、化学肥料や農薬への規制が大きく進んだ。この流れを大きく変えるために、遺伝子組み換え企業=化学企業が中心となり、大きな企てをしている。 “多国籍企業による食のシステムの乗っ取り” の続きを読む