漁業法改正が持つ大きな問題

 私たちの生きる上で不可欠な公共圏を民間企業の独占物にできる法改正があらゆる領域で進行した。農業関連でも種子法廃止、農業競争力強化支援法、種苗法改正、農地法…、これに加え、森林法も、水道法も、法律改正は不要とみなされれば国会審議もまったくなしにさまざまなレベルで進められている。そして、漁業法も改正された。それがどんな問題をはらんでいるのか東大の鈴木宣弘さんの論文をもとに10分間のビデオで全体像がわかる。
 そのさわりを紹介する。漁業でも日本では漁獲量が激減。その原因は大型資本による乱獲、行き過ぎた貿易自由化、大規模小売業を頂点とする流通業界の買い叩きが主因。これまで沿岸漁業者は共同で漁獲して利益は分配する伝統的な「もやい漁業」を行い、資源管理も行ってきた。そのあり方は世界の最先端であると欧米も注目する。しかし、漁業法の大改正はその沿岸漁業者を犠牲に、大型漁業産業を儲けさせるもの。大手による独占が進み、沿岸漁民は職を失ったり、かつての「蟹工船」の世界が出現することが危惧される。… “漁業法改正が持つ大きな問題” の続きを読む

RCEPと種苗の知的財産権: UPOV体制は種苗産業を萎縮させる

 改正種苗法によって1975品種が日本から持ち出し禁止になった、と官報に載る。あたかもそれで効果を上げるように各紙も報道するが、根拠はない(1)。そしてRCEP協定(地域的包括的経済連携協定)の国会審議、14日で東大大学院の鈴木宣弘さんが参考人として陳述されるとのこと。午後には院内集会(2)。世界最大の自由貿易圏を作るというのだから十分な審議が必要のはず。種苗の知的財産権に関わる面から問題を見ておきたい。 “RCEPと種苗の知的財産権: UPOV体制は種苗産業を萎縮させる” の続きを読む

みどりの食料システム戦略:パブリックコメント

あれこれ書いていながら僕自身はまだパブコメ送っていません。パブコメをめぐってどんな問題があるのか探ることを優先してきました。実際に送るコメントは相手に影響を与え、採用を考えてもらえる必要があり、書き方は難しいですね。模範的な書き方にはならないですが、僕なりに書いてみました。そして送りました。 “みどりの食料システム戦略:パブリックコメント” の続きを読む

みどりの食料システム戦略:みどりの政策とは何?

 パブコメ締め切り迫る「みどりの食料システム戦略」について、「みどり」とは何で、「食料システム」とは何を意味するのかが大問題になる。なぜ、昨年の11月18日に最初の検討会開いて、ほんのわずかな時間の間で、しかも従来の政策を覆すような計画が作られてしまったのだが、農薬村からは抵抗は聞かれない。 “みどりの食料システム戦略:みどりの政策とは何?” の続きを読む

みどりの食料システム戦略:公共政策の貧困

 期限が間近(12日)に迫った「みどりの食料システム戦略」の中間とりまとめのパブリックコメント。今後に大きな影響を与えることなので、しっかりと意見を表明する必要を感じる。コメントで書くことはまた別途、まとめるつもりだけれども、いくつかその前提となることを書いておきたい。 “みどりの食料システム戦略:公共政策の貧困” の続きを読む

RCEPの問題点

 本日午前の衆議院外務委員会でRCEP協定(地域的包括的経済連携協定)の審議。RCEPについてはほとんど書いてこられなかったが、これまた大問題。RCEPはTPPを超える世界最大の自由貿易圏を作る。最大の犠牲となるのは食や生態系、マイノリティの権利。 “RCEPの問題点” の続きを読む