日本ではまず流れないのが遺伝子組み換え食品(GMO)の健康影響に関わる情報。バイテク企業が作った監視団体がマスコミににらみを効かせて、脅すので、マスコミも自己規制してしまっている。でも、それは日本の特殊事情。海外でも同様の傾向はあるにしても情報は流れている。ちょっと昔なら米国でGMOを気にする人なんてほとんどいなかった。でも今や過半数の人が食べるのを避けている。それが日本は逆。むしろ毒性は強まっているのに、より気にしなくなりつつある。その原因は情報流通。情報が流れれば日本も変わる、というのは今回の選挙結果を見れば明らかだろう。情報が共有されれば変わる。いつか流れることを祈りつつ、何が問題なのか、GMOの問題はあまりに広範囲に及ぶために書き出したら1冊の本になってしまう。ということで断片情報を少しずつ。
遺伝子組み換えや「ゲノム編集」を作る際には微生物由来の遺伝子を組み込む。遺伝子操作が成功したかどうかを判明するために、抗生物質耐性遺伝子を入れたり、挿入した遺伝子を発現させるためにカリフラワーモザイクウイルスの遺伝子を挿入する。「ゲノム編集」の場合は遺伝子操作終了後、挿入した遺伝子を抜くと言っているが実際には残っていることがあることが報告されている。
この入れられた抗生物質耐性遺伝子がもし人の腸内細菌に取り込まれてしまえば、抗生物質が効かない体になってしまうので、大きな問題なのだが、実際に、ベルギーの政府保健機関が調べたところ、調べた食品酵素のなんと48%にその遺伝子が発見されたという。加工食品にはさまざまな酵素が添加されるが、それを食べれば健康被害の危険があるということで警告を出したとのことだ¹。
EUでのGMOは日本よりも少ない可能性があり、日本で調べたらもっと割合は高いかもしれない。日本だと、食品加工品の原料などは近年、世界の傾向とは逆に非遺伝子組み換えを確保しようとする姿勢が激減してしまっている。
腸内細菌が抗生物質耐性を持ってしまうだけでなく、食べたGMOのDNAが体内に取り込まれる。食べたもので人ができるのだから当たり前のことだが。挿入されたカリフラワーモザイクウイルスの遺伝子がラットの血液、肝臓、脳でも発見されている。この遺伝子をなぜ挿入するかというと、外部から他の生物の遺伝子を大豆などに組み込んでも普通は発現しない。でもこのウイルスの遺伝子は挿入した遺伝子を活性化する機能を持っている。だから遺伝子操作の多くで使われている。
でもこのウイルスの遺伝子が活性化するのは挿入した遺伝子に限らない。眠っていなければならない遺伝子を起こす可能性もありうる。炎症などの原因になっている可能性がある。原因のわからない炎症が増えているが、GMOが原因の可能性は十分あるだろう。
遺伝子組み換え原料を使っても油の場合はDNAは検出されないから、日本では油などの場合には遺伝子組み換え食品表示が不要にされている。だから日本のナタネ(カノーラ)、コーン、大豆、綿実油のほとんどが遺伝子組み換えとなっている。でも、DNAが検出されなければ遺伝子組み換えは問題ないと言えるのか? それを検証した実験がある。
その実験によると、GMOから作った油を摂取したラットでは肝臓にうっ血、壊死、胆管過形成、腎臓にうっ血、出血、糸球体硬化症を引き起こしたという³。
これはほんの氷山の一角の問題に過ぎないが、こうした問題が指摘されるからこそ、世界はGMOフリー(GMOがない状況)をめざして動いている。残念ながら日本はその真逆に進みつつある。
(1) Marktüberwachung in der EU: Erneut Antibiotikaresistenzgene aus GVO in Lebensmittelenzymen entdeckt
https://gentechfrei.ch/de/20-themen/pharma/5384-marktueberwachung-in-der-eu-erneut-antibiotikaresistenzgene-aus-gvo-in-lebensmittelenzymen-entdeckt/
(2) Addressing the issue of horizontal gene transfer from a diet containing genetically modified components into rat tissues
https://academicjournals.org/journal/AJB/article-full-text/BE5331948800
(3) Effect of Genetically Modified Soybean Oil Consumption on Biochemical and Histological Changes of Liver and Kidney in Rats
https://ijdrug.com/Article/ijdrc-3048