小麦に注意! 食べるなら国産小麦、有機小麦に。
農民連食品分析センターが重要な調査結果を発表した。
食パンのグリホサート残留調査
http://earlybirds.ddo.jp/bunseki/report/agr/glyphosate/wheat_bread_1st/index.html
一言で言えば輸入小麦で作られたパンはアウト(モンサントの農薬グリホサートが検出される)。国産小麦で作られているものはOK。国産小麦で作られているパンからは検出されていない。国産小麦や有機小麦で作られたパンはOKだが、それ以外のパンは食べてはいけない。うどんや他の小麦製品も同様のことになると考えた方がいい(調査が必要)。
日本政府はモンサントの除草剤グリホサート(商品名ラウンドアップ)の残留量を2017年12月末に大幅に緩和した。EU主要国が3年以内の禁止を公言するのに対して、対応の違いが際立つ。
今の小麦は遺伝子組み換えではないからグリホサートをかけたら枯れてしまう。でも米国やカナダでは収穫直前にグリホサートをかけてしまう。グリホサートをかけると枯れるので収穫が楽になる。乾燥も進むという。しかし、かけられた小麦にはグリホサートが含まれてしまうことになる。だからそれを輸入するためには大幅緩和が必要となったということだろう。
日本政府の推定によれば今後、日本列島の住民は小麦経由でグリホサートを大量摂取してしまうことになる。政府はグリホサートは安全だとしてその危険を認めないが、グリホサートの危険に関する知見はすでに世界に広まっている。
グリホサートの健康被害は広汎な範囲に及ぶ。腸内細菌を損ない、アレルギーや免疫疾患につながったり、インスリンの生成に影響が出て、糖尿病、さらにはドーパミン、メラトニンに影響が出ることで神経系の問題を作り出す。そして、胎児の成長に影響を与えたり、子宮の肥大、精子の損傷にもつながっている可能性が大である。
今回検出された残留量は低いではないかという人もいるかもしれない。しかし、たとえば生殖器官への影響はbpm(10億分の1)という単位で影響を与えてしまう。低いから安全ではなく、極力体内に入れない、としなければならないものである。
特にこれから子どもを作ることを考えているカップルはなんとかして輸入小麦を避けていただきたい。国産小麦か有機小麦、それが難しければ米食を中心にすれば、十分、避けられる。免疫や神経への影響を考えれば子どもはもちろん、高齢者も避けるべきだ。
小麦の場合は国産や有機を選ぶことで対策立てられるのだけれども、問題なのが大豆。小麦への収穫前散布(プレハーベスト)はまだ国内では許可されていないが、大豆はすでに日産化学が許可を取って、収穫前のラウンドアップ散布を大々セール中で、現に国内でも大豆に散布している可能性が高い。国内産大豆なら安全、と思って買っていたら、その大豆には遺伝子組み換え大豆と同様にグリホサート漬けだったということになってしまう可能性がある。それではそれをどうやって見極めることができるだろうか? 表示で可能なのは有機大豆を選ぶしかない。それ以外は使っているか使っていないかわからないからだ。
有機大豆でなくともプレハーベストしていない生産者からの大豆を買い上げる生協・産直などを通じて安全な大豆は確保できるだろう。
グリホサートを農地に撒いてしまえば、土壌細菌は傷つくし、何より撒く側の生産者の健康が消費者以上に損なわれる可能性もある。収穫前散布はあまりに食の安全に大きな影響を与えることは必至であり、早急の停止、禁止をする必要があると思う。
食品分析センターが他の小麦製品や大豆製品などの分析にも着手できるように支援が集まることを期待します。
食品分析センターへの支援は↓
http://earlybirds.ddo.jp/bunseki/donation/index.html
参考資料
2017年6月21日 日本政府はグリホサートの大幅規制緩和のパブリックコメントを開始。
8月には規制緩和を考えていたはずだが、EUがなかなかグリホサートの再承認をしなかったため、パブリックコメント終了後も大規模緩和は実施されず。しかし、12月12日、ドイツの代表が買収されたのであろう、承認賛成に回ったためEUが5年の使用が認められると、日本政府は12月25日にグリホサートの大規模緩和を行った。