家畜の糞を利用した肥料が作物の生育に悪影響を与えるとする研究が発表になった。
世界で規制が強まるモンサント(現バイエル)の除草剤ラウンドアップ(成分名グリホサート)、腸内細菌に影響を与え、人びとの健康に大きな影響を与えている可能性に世界が注目している。もし、そうならば遺伝子組み換え飼料を与えた家畜の糞は問題あるのではないか、という質問を学習会などでも頻繁に受ける。
家畜の糞を肥料にするためには発酵させるが、普通は温度はかなり高くなる。でも遺伝子組み換え飼料を食べさせた糞は発酵させても温度がなかなか上がらず、肥料として成熟しにくいという話は聞いたことがある。確実な実験結果がほしいところだったが、ついに出てきた。
家畜の糞に含まれるグリホサートは細菌や植物が持つシキミ酸経路をブロックする。モンサントはグリホサートを細菌の繁殖を抑える抗生物質として特許を取っていることからも、その効果がわかる。抗生物質入りの糞は発酵も抑えられ、肥料として使われると、その成分あるいはグリホサートから代謝されたAMPAが作物の生育を抑えてしまうことが考えられうる。
それが今回の研究で裏付けられたことになる。家畜ふん堆肥を使っている方は、その家畜が何を飼料にしていたかも気にしなければならないことになる。
やっかいな問題だけれども、飼料含めてNon-GMO、グリホサートフリーを求めていく必要を確認しなければならない。
Glyphosate in chicken poop used as fertilizer is hurting food production, researchers say