「ゲノム編集」の検出方法が確立、オープンソースで利用可能

 この「ゲノム編集」検査方法は画期的。「ゲノム編集」規制に向けてゲーム・チェンジャーになる。世界の注目が「ゲノム編集」を検出する世界初の検査方法の発表に集まった。

 NGO市民団体やNon-GMO食品生産・流通に関わる業者などの協力のもとで世界で初めて開発された米国サイバス社の「ゲノム編集」ナタネを検出する手法が発表された。
 これまで日本政府などは「ゲノム編集」は自然の中で変異したものと区別がつかないとして、実質的に規制をしない方針を昨年固め、10月から実施してしまっている。もっとも以前から「ゲノム編集」は検出可能だと研究者たちは声をあげていた。

 従来の遺伝子組み換え作物の場合は挿入して生まれるタンパクに反応する試験紙などによって簡易な方法でその遺伝子組み換えが含まれているかをチェックすることができるし、さらに詳細な試験方法が確立していて、厳密に区別することが可能になっている。しかし、「ゲノム編集」ではその手法が確立されていなかった。
 EUやニュージーランドではすでに「ゲノム編集」は遺伝子組み換えとして規制する方針が決まっていたが、それを実施する上で検査方法の欠如が問題になりうる。今回、「ゲノム編集」作物でも検査方法が確立することにより、EUやニュージーランドの方針は実行に向けて大きく歩を進めることになるだろう。

 しかも、すばらしいのはこの開発された手法、特許など取ることなく、オープンソースとして解放される。オープンソースの宣言された技術は他のものが勝手に特許を取ることを許さない。このことによって、この手法が多くの関係者に共有され、農場、食品輸送、食品加工、食品流通などの時点でチェックすることが可能になる。

 さて、日本の市民に対しては「ゲノム編集」は検出不可能、だから表示も不要と言い放った日本の官僚、政治家のみなさん、今からでも遅くありません。昨年10月の決定を見直し、しっかりとした規制のルールを作り直しましょう。政権も変わるので、ちょうどいいタイミングです。

 すでにさまざまな研究で、「ゲノム編集」による作物で想定していないアレルゲンなどの原因になりかねない変異が生まれてしまうことが指摘されており、また、この技術が低迷を余儀なくされている遺伝子組み換え企業の再復活に使われようとしていることも明らかであり、これが規制できるかどうかは多国籍企業による食の支配からわたしたちがどう自由になれるかということに大きく関わる問題でもある。

 画期的な手法を開発したジョン・フェイガン博士をリーダーとするチームとそれを支えた市民に拍手。

First open source detection test for a gene-edited GM crop

4分29秒のビデオ。意義が簡潔にまとめられています。英語字幕なし。
Nowhwere to hide (full version) .:. First open source detection test for a gene-edited GM crop

New gene-editing test a ‘game changer’ for New Zealand

このテストを支えた民間組織の一つがドイツのVLOG(Non-GMOの認証団体)。このドイツのNon-GMO民間認証は1兆円を超す大きな市場を作り出した、と米国農務省も調査で認めている。表示は遺伝子組み換え企業のための市場を作るか、そうではない食品の市場を作るかをめぐる大きな分岐点となる。

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