2026年7月14日、参議院農林水産委員会で参考人質疑が行われました。これまで重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案(新育苗法案)と種苗法改正法案が審議されていましたが、参議院での審議ではこれに加え、超党派議員が提出した議員立法「主要農作物の優良な品種を確保するための公的新品種育成の促進等に関する法律案(主要農作物確保法案)」の3つが一括審議されました。
私、印鑰智哉はその参考人として意見陳述することになり、以下に掲げるのはその内容です。なお、末尾に掲げますが、この意見陳述は動画でもご覧いただけます。時間の制約上、動画の中では以下の原稿の中で省いたものもあります。 “種苗関連3法案について参議院農林水産委員会での意見陳述内容” の続きを読む
EU「ゲノム編集」生物規制緩和は規制のきっかけを日本に与える
6月17日、欧州議会が「ゲノム編集」生物規制緩和案を承認。予想されていたことだが、これで「ゲノム編集」作物・畜産物・微生物を止めていた最後の砦が突破された。この規則の発効には2年かかるが、その後、世界で「ゲノム編集」農畜産物の生産が加速する可能性がある。
ヨーロッパの市民団体、農民団体、環境団体の多数がその決定を非難する声明を上げている。それ以外にも食品流通企業も強固に規制緩和に反対してきた。それなのに承認されてしまった背景には前回の欧州議会選挙での極右勢力の進展と、規制緩和に反対してきた革新勢力の後退がある。
しかし、実際、この規制緩和規則は日本にも大きな影響を与えざるをえない。それは今後の大きな足がかりにもなり得るものだ。 “EU「ゲノム編集」生物規制緩和は規制のきっかけを日本に与える” の続きを読む
英国の「ゲノム編集」規制法(精密育種法)は無効
英国高等法院が画期的な判決。英国はEUを離脱して、「ゲノム編集」などのバイオテクノロジーをEUの規制から自由になって推進することを決めて、法律もすでに決めていたが、それに市民団体Beyond GMが政府の検討は不十分であるとして訴訟を起こした。その訴えが6月4日認められた。 “英国の「ゲノム編集」規制法(精密育種法)は無効” の続きを読む
日本のタネのあり方を変えてしまう法案が国会に
今国会で日本のタネのあり方を大きく変えてしまう法制度改革が行われてしまう、ということを書いてきました。そして18日に自民党の部会で国会に上程する法案が承認されたことが報道され、その法案の名前が「重要品種の育種及びその種苗の生産の振興に関する法律案(育苗法)」と「種苗法の一部を改正する法律案」であることがわかりました¹。まだ法案の中身は公開されていませんが、今回、明らかになった情報からその問題について考えてみます。 “日本のタネのあり方を変えてしまう法案が国会に” の続きを読む
種苗法再改正、食糧法改正、さらには革新的新品種開発に関する法案の問題点
いきなり通常国会で冒頭解散するという理不尽なことが起きようとしていますが、審議時間が短くなり、十分な審議もないまま予算が成立してしまい、また問題ある法案も満足な審議もされずに通されてしまう可能性があります。
日本の今後の食・農業のあり方を大きく変えてしまう法案がいくつも出ようとしています。たとえば種苗法再改正、食糧法改正、さらにまだ正式名称がわかりませんが、革新的新品種開発のための新法案があります。 “種苗法再改正、食糧法改正、さらには革新的新品種開発に関する法案の問題点” の続きを読む
「ゲノム編集」が引き起こすもう一つの問題、「クロマチン疲労」
1950年代にDNAの二重鎖構造が発見されて、遺伝子の実態がわかった時、人類は熱狂した。生命の秘密がわかったと思ったからだ。生命の基盤となる遺伝子はあたかもロボットの部品のように受け止められ、その部品を組み合わせれば生命が作れると考えて、遺伝子工学が誕生した。
しかし、実際の遺伝子はもっと精妙なものだった。ロボットの部品とは違って、他の遺伝子やノンコーディングDNAと有機的なネットワークを形成していることが最近の研究によって明らかになったからだ。そのネットワークの力で生命は環境の変化にも対応することができる。だからその一部だけ変えてしまえば、その影響はネットワーク全体に及んでしまう。でも、遺伝子工学は未だに70年前の幻想に執着し、遺伝子の改変による新品種の開発をやめようとしない。自然の進化に逆らい、遺伝子を改変し続ければ、改良どころか、生命の再生産、生態系にダメージを与えることは避けられないだろう。
「ゲノム編集」企業にとっては困った知見が次から次へと明らかになってきているが、また新たな問題が発覚した。遺伝子レベルで想定通り、「ゲノム編集」できたとしても、その遺伝子は想定外の動きになってしまう、というのだ。その原因は「クロマチン疲労」と名付けられたものにある。 “「ゲノム編集」が引き起こすもう一つの問題、「クロマチン疲労」” の続きを読む
アジアで高まる遺伝子操作米の登場の危惧
アジア地域に遺伝子操作品種の脅威が高まっている。しかも、そのターゲットはお米(稲)だ。 “アジアで高まる遺伝子操作米の登場の危惧” の続きを読む
日本だけ「ゲノム編集」生物の基準が甘い?
なぜ、「ゲノム編集」で日本は突出したのか? 技術が高いから? いや、単に政府の基準が甘いだけなのでは? “日本だけ「ゲノム編集」生物の基準が甘い?” の続きを読む
