種苗法があぶない

 種子法廃止問題についてはかなり注目が集まっているが、もう1つの法律、種苗法が大幅に改悪されつつあることにも注目する必要がある。なぜなら、この2つは1セットで見る必要があるからだ。この2つに共通するのは人びとの共有財産としての地域の種子を制限し、民間企業の利益を優先するという方向と言える。
 種苗法改悪の方法は2つある。1つは法を変えずに運用を変える方法であり、もう1つがずばり法そのものを変える方法。前者は種子法廃止が決定された2017年以降、急ピッチで進んでいる。 “種苗法があぶない” の続きを読む

食と気候変動—本当に不都合な真実

 世界中で気候変動による大きな災害が頻発している。日本では「数十年に一度の」という表現が繰り返されるが、今起きているのは過去にあったことの繰り返しではなく、過去とは異なる事態と言わざるをえない。未曾有の事態と向き合わなければならなくなっているといわざるをえないはずだ。 “食と気候変動—本当に不都合な真実” の続きを読む

アジアの農家の種子の権利を奪う日本政府

 種子法が廃止されたことに対してはようやく批判が集まるようになったが、一方で、日本政府はアジア各国政府から農民の種子の権利を奪う圧力をかけ続けている。こちらの方はほとんど注目されていないのではないか? 国内で権利が奪われると抗議するけど、国外で同じことを日本政府がやることはスルーしてしまうとなれば結局、このグローバリゼーションの時代、国内の権利だって守れはしないので、しっかりアジアの人びとといっしょにこの動きを止めなければならない。 “アジアの農家の種子の権利を奪う日本政府” の続きを読む

モンサントの歴史的有罪判決ーラウンドアップでガンに

 米カリフォルニア州でモンサントに対する歴史的判決。モンサントのラウンドアップによってガンになったとして訴えていたドウェイン・ジョンソンの訴えを認め、陪審はモンサントに約2億9000万ドル(約320億円)を支払うよう命じた。 “モンサントの歴史的有罪判決ーラウンドアップでガンに” の続きを読む

微生物、病害、気候変動

 最近、講演で話しをする時に微生物の話しから始めることが多い。地球に生まれたこの微生物の果たしている役割を知ることで今、起きている問題をより理解できるし、その解決策も見えてくると思うからだ。
 微生物の力を借りて、植物もわれわれも生まれてきた。その力がなければ生き長らえることもできない。「共生symbiosis」という言葉は使い古されてしまったかもしれないが、根圏細菌Rhizobacteriaと菌根菌糸Mycorrhizal hyphae、そして植物の関係を知る時、あらためて生命が互いに支え合ってこの生態系を支えているか、そのダイナミズムに心を奪われてしまわざるをえない。 “微生物、病害、気候変動” の続きを読む