アマゾン破壊を資金的に支えているのは日本人の年金!

 アマゾンが焼かれている映像に心を痛めている人は多いと思う。あの大規模な破壊の背後にはアマゾン森林を燃やしてそこを牧草地に、場合によっては家畜の餌にする大豆栽培畑にしようとする勢力がいる。でもそれには金がかかる。それに投資しなければ破壊は進まない。
 でも、その資金が日本の年金から出ているとブラジルのNGOが告発している。日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)から膨大な投資がJBSに向かっている。JBSはブラジルの企業だが、今や世界最大の食肉企業であり、これまでもアマゾン破壊への関与で世界から大きな非難を受けてきた。その企業にわれわれの年金がつぎ込まれ、われわれの老後はアマゾン破壊から上がった利益で支えられるのか? “アマゾン破壊を資金的に支えているのは日本人の年金!” の続きを読む

惨事便乗型資本主義が食を奪う

 この新型コロナウイルスの蔓延はまさに惨事便乗型資本主義がその姿を現す時。1%の投資家はこの間にさらに富を集積し、笑いが止まらないに違いない。
 外食の低迷によって米価が暴落している。このままでは地域によっては60kg1万円という破壊的な価格になるかもしれない。小規模農家での生産価格は1万7000円とも言われるから作れば作るほど大赤字になる。これは大恐慌にも匹敵する大惨事。米国ではかつて大恐慌に際してニューディールが発動され、農家の収穫を政府が買い上げ、農家を支えた。失業者はその配給によって命をつないだ。今や、そうした政策に出なければ農村は潰れてしまう。米国にそうした政策があるのに、日本にはない。これでは日本では農業を続けられなくなって、農家は激減してしまう。 “惨事便乗型資本主義が食を奪う” の続きを読む

培養肉がもたらすモノカルチャー農業

 先日、一見エコに見える培養肉がいかに環境破壊につながるか、特に遺伝子組み換え技術によって支えられているかを指摘した(1)。動物の命を奪わない培養肉には期待を持っている方もおられたと思う。でも残念ながら、生態系の循環に位置づけられない培養肉は決して選ぶべき方法ではない。 “培養肉がもたらすモノカルチャー農業” の続きを読む

インドの農民デモと日本

 1月26日、インドで空前の規模の農民デモが行われた。日本のマスメディアも取り上げたので、そのニュースは日本でも多くの人が見たと思う。
 そのインドの農民に支援のメッセージが、フィリピン、インドネシア、韓国などアジア、ブラジルなどラテンアメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、北米など世界中から送られている(1)。 “インドの農民デモと日本” の続きを読む

培養肉に待った!

 シンガポールで世界で初めて培養肉の販売が昨年12月に承認されて以来、培養肉に関する情報があふれている(1)。三菱商事も投資に積極的に動いている(2)。培養肉は家畜の幹細胞などを人工的に培養して作る肉のこと。
 シンガポールの培養肉は鶏の羽の細胞をもとに作るという。これだと動物愛護の観点から家畜を殺さなくてもいいし、非衛生的な状態で尊厳のない超過密飼育で抗生物質漬けで作られる肉よりも安全で、しかも牛などが出す大量のメタンガスの発生も抑えられるので気候変動の見地からもいいんじゃないかと考える人が出てくる。でもちょっと待ってほしい。 “培養肉に待った!” の続きを読む

改正種苗法施行の前に

 改正種苗法施行前に考えてみたい。今後の食がどう変えられようとしているか? まずハイテク企業の動きを注目する必要がある。ビル・ゲイツは「ゲノム編集」を含む遺伝子組み換え技術に莫大な投資を行い、種苗をOSになぞらえて、マイクロソフトがOS独占で巨大企業に成長したように、食を次のターゲットとしようとしている。モンサント(現バイエル)はビッグデータ企業を買収し、アマゾンが生鮮品まで手をかけ、富士通までもが海外で農業投資を本格化している。キーワードは技術による食のシステムの統合(=囲い込み)。巨大企業が食を種苗から流通まで把握しようとしている(1)。 “改正種苗法施行の前に” の続きを読む