在来種の種苗は誰のものでもないから、いつまでも使い続けることができる。だから、何も怖くない、と言いたいのだけど、実はそうとはいえない。
米国の多国籍企業Natreon社は鬱や糖尿病、不眠症、発作や胃炎を治める効能があるとして、インドの植物アシュワガンダの特許を取ろうとした。しかし、これはアーユルヴェーダで12世紀からすでにインドで使われている記録があるとして、異議が唱えられ、結局Natreon社は特許申請を撤回した(1)。 “在来種を守る:バイオパイラシー/特許と在来種目録” の続きを読む
社会を民主化するにはまず食から情報を民主化しよう!
在来種の種苗は誰のものでもないから、いつまでも使い続けることができる。だから、何も怖くない、と言いたいのだけど、実はそうとはいえない。
米国の多国籍企業Natreon社は鬱や糖尿病、不眠症、発作や胃炎を治める効能があるとして、インドの植物アシュワガンダの特許を取ろうとした。しかし、これはアーユルヴェーダで12世紀からすでにインドで使われている記録があるとして、異議が唱えられ、結局Natreon社は特許申請を撤回した(1)。 “在来種を守る:バイオパイラシー/特許と在来種目録” の続きを読む
政府の説明がおかしくなってきている。政府が悪いと言えばその通りなのだけど、政府がおかしな説明を平然としている大きな理由にマスコミの機能不全があると思う。 “種苗法改正問題:農水省の説明がおかしい” の続きを読む
農水省の種苗法改正に関わる説明がちょっとおかしい。もっともおかしいといっても財務省や防衛省で起きているような、ありえないことから比べるとずっとましだし、国会議員や地方議会の議員からの質問に対して、きわめて丁寧に対応はされている。そのことは高く評価できるのだけど、やっぱりおかしいことはおかしいので、指摘させていただきます(昨日予告したその2になります)。 “農水省のおかしな説明:「次代の新品種は登録できない」?” の続きを読む
前に書いた種苗法改正と公的種苗事業の民営化のことだけれども、そんなことは種苗法改正案のどこにも書かれていないじゃないか、というかもしれない。これが書かれているのは種苗法改正案ではなくて、農業競争力強化支援法の方だ。 “種苗法改正問題の背景にある農業競争力強化支援法” の続きを読む
この間、種苗法改正をめぐって、さまざまな人たちから質問が農水省に出されているのだけど、この間の農水省の説明や、質問に対する回答に現実との大きなギャップを感じています。
もっとも、他の情報公開でよくあるように黒塗りの答えが出てくるようなことは一切なく、担当されている農水省の方はとても真摯に答えてくれていて、それはとってもありがたいと思います。そこには今後、同じ方向を歩む可能性も感じられるのだけど、それでも種苗法改正に絡むところはどうにも納得がいかないことばかりなのです。
そこで納得がいかないことについてまとめてみることにしました。まず、その1。 “種苗法:問われる公的種苗事業の存在価値” の続きを読む
この20年の世界の変化、特に食・農業政策に起こっている変化は巨大なものがある。まず最初の大きな一撃は2007年/2008年の世界食料危機。しかし、それ以上に大きなインパクトを与えたのがこの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症COVID-19の蔓延の事態となるのではないだろうか? “新型コロナウイルス禍と食の行方” の続きを読む
いくつか農水省の登録品種に関するデータをグラフで見てみます。
最初のものが日本で有効な登録品種数。現段階では9000品種近くになっているのではないでしょうか?(訂正:2018年段階で8315品種なので2020年段階でこの間の推移を見るとそれより微増に留まっていそう)。お花が多くなっています。 “データで見る種苗法改定” の続きを読む
種苗法改正法案の今国会での審議はほぼなくなった。先月末までこれは与野党で問題にする案件じゃないから審議なしの即決で決める、と言っていたものがここまで変わったのは多くの人たちが国会議員に電話やFAX、メールや署名をしてくれたおかげだと思う。お疲れさまでした! しかし、残念ながら廃案になったわけではなく、次期国会で今度はまったなしで審議されるのでさらに厳しい局面になるだろう。それを前に、現在の法案や政府の施策にどんな問題があるのかまだまだ探る必要がある。
ここでは有機農業の問題として考えてみたい。有機農業は今、世界で最も成長している産業といえる。この20年足らずの間に世界の有機市場は5倍近く拡大しており、その勢いは止まることを知らない。気候変動問題や生態系の危機が迫られる中、有機農業が持つ役割の大きさにも注目が国際的に集まっている。 “有機農業の問題としての種苗法改正問題” の続きを読む