ラテンアメリカにおける社会運動・抗議運動の抑圧の現在

 一時期、南米に革新政権が次から次へと誕生した。社会変革に向けた数々の政策が打ち出された。でも、植民地支配の爪痕が強く残る国で寡占支配層の力はまだまだ強く、米国に支援された彼らは続々とその革新政権を覆している。そして、現在、聞こえてくるのはラテンアメリカにおける抗議行動の犯罪化と軍事化、つまり、民衆運動の動きそのものを犯罪として封じ込める。
 そして軍事化といっても戦車がすぐ出てくるわけではない(もっともリオのファベラで戦車は頻繁に登場するが)。戦車の代わりに出てくるのは裁判所であり、裁判所が憲法を破壊し、新自由主義を民衆に押しつけてしまう。人びとの権利は奪われるのが当然という流れになっている。マスメディアや政府、裁判所が一体となって民衆の権利を奪う。

 そう書くと、ラテンアメリカがもう反動地獄の中で、抗議できなくなってしまった、と思われてしまうかもしれないけれども、現実はその反対で、人びとは道を埋め、抗議運動は止まっていない。だからこそ、それを潰すために運動の犯罪化と言われるような弾圧が起きるということになる。

 MST(土地なし農村労働者運動)を犯罪者集団と描くことは前からあった。実際にはMSTは合法的な非暴力直接行動を行っているだけであり、憲法が保障した農地改革を要求しているのであって、それに対して、土地を独占している大地主の方こそ、憲法違反なのだが、マスメディアが非難するのはMSTの側となる。こうした犯罪化の対象が今、広くなっている。

 ラテンアメリカでのその実態をまとめた報告書が出た。免罪される警察の暴力や裁判の問題など、詳しく50ページを超える報告書(スペイン語)が全文ダウンロードできる。

報告書に関する記事(こちらはポルトガル語)
A criminalização dos protestos e a militarização na América Latina em debate e relatório

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