新型コロナウイルスがなぜ怖いか、素人なりに理解につとめるわけだが、こんなところだろうか?
ウイルス侵入に感染された細胞はSOS信号、サイトカインを出す。サイトカインによって免疫細胞が活性化して、感染部に集まり、ウイルスを攻撃する。ここで多くの場合は感染が収まり、軽症で回復できる。でも、ここで収まらずに免疫の制御が失われてしまうと、サイトカインが出され続ける免疫システムの暴走状態、無限ループが発生することがある。いわゆるサイトカイン・ストーム。
本来、外部の敵を襲い、体を外敵から守るはずの免疫細胞が異常な暴走状態になり、臓器に障害をもたらし始める。それまで話ができていた人が急に容体が悪化するのも、免疫が体を襲い始めるから。臓器を襲うことでさらに免疫細胞は興奮を高めてしまうので暴走が加速してしまう。本来はこうした異常暴走が起こらないようにバランスが取られているのにそのバランスがなんらかの理由で壊されてしまう、という…。
だからこうなると基礎疾患もない、健康な若い人でもあっという間に命を失うことが起こりうる。
このサイトカイン・ストームは免疫の司令塔であるT細胞を静めることができれば止めることができるというから、そのような治療法が可能になれば、重症化した人の命を取り留めることもできるだろうし、暴走するメカニズムがわかれば重症化自体も阻めるかもしれない。まだ治療法は確立していないようだが。
ウイルス感染の急速な蔓延を許し、医療崩壊を起こせば、救える命も救えなくなる。そして、救命施設を備えた医療は先進国でもわずかしかなく、南の国にはほとんど存在していない。このままでは数百万の人の命が奪われる可能性がある。世界にはウイルスを広めないために必要な手洗いする水すら十分得られない人が20億人近くいると推測される。
最貧国の債務を免除して、世界の人びとの命を救うことをG20や世界銀行に求めるオンライン署名。すでに50万人を超している。
AVAAZ: G20:新型コロナウイルスと闘えるよう債務免除を(日本語)
小野 昌弘氏 @masahirono
COVID-19重症化はCytokine stormによる可能性を指摘する論文。これなら数時間で一気に重症化するのも納得
*重症例では自然免疫系とともにT細胞も活性化。論文は抑制性のTh2も産生という解釈だがこれは間違い。重症化例では広範なT細胞レパトワの活性化が起きていると読むべきhttps://t.co/ScS5ck8AaF pic.twitter.com/c0K2yTxB7e— Masahiro Ono 小野 昌弘 (@masahirono) March 26, 2020