米国の学校給食の安全/栄養調査の驚くべき結果

 学校給食がどれほど危なくなっているか? Moms Across Americaが米国の43校の学校給食を大学の研究所で調べたところ、衝撃的な数字が明らかになった。95.3%の学校給食からモンサントの農薬グリホサートが検出された。そして高濃度の重金属が43校すべての給食から検出された。
 
 Moms Across Americaは日本にも来日しているゼン・ハニーカットさんが創設したNGO。母乳や尿に含まれるグリホサートの検査を行い、世界にも大きな影響を与えている。その団体が米国の43の学校の学校給食の検査を行ったもの。検査はヒューストン大学のHealth Research Instituteで行われた。
 
 驚くべきなのはその農薬汚染の度合いの広さだ。小麦を使ったものからはなんと100%グリホサートが検出されるという。そして、個々の給食の品目の74%からもベトナム戦争で使われた2,4-Dやネオニコチノイド系農薬などさまざまな農薬29種類が検出された。
 
 グリホサートについてはもう語りきれないほど多くの健康被害が報告されている。特に世代間に影響を与えることについても近年、研究が増えており、体内に入れないことが大原則になる。
 
 重金属では、米国環境保護局(EPA)が飲料に認めているレベルの6293倍検出されたものがあったという。カドミウムや鉛などの濃度が高かったとのこと。重金属汚染の原因には農地に関わる鉱山開発などによる土壌汚染も当然あるが、化学肥料であり、農薬も原因となる(特に広域下水汚泥を使った肥料には重金属汚染の可能性がとても高い)。
 
 一方で、この調査では有害物質の検査だけでなく、栄養分析もしているのだが、概して子どもたちの成長に必要なミネラル分は不足している。
 
 果たして日本は?
 
 米国からの農産物輸入に依存する日本ではこの問題は対岸の火事ではまったくないが、日本では政府はこうした包括的な給食の安全検査などはやらないし、市民団体がやろうとしても学校給食は持ち帰りを禁じられていたりして、なかなか検査が難しい。しかし、もし、地域の教育委員会自身が動けば話は別になるだろう。

 そしてこの危険は子どもたちに留まらない。自然の命も危険に曝されている。生物大量絶滅は子どもを含む人類の生存にも危機的なものになりつつある。待ったなしの話として、学校給食の有機化、あるいは化学肥料や農薬への依存を減らすことは進める必要がある。まずは現状把握が不可欠ということで、今後、Moms Across Americaが実施したような包括的な学校給食の安全検査・栄養調査を地域で要求していく必要があるのではないか? (その調査内容・結果はすべて以下のページからダウンロードできます)。

National School Lunch Testing for Glyphosate, Pesticides, Heavy Metals, Hormones, Veterinary Drugs, and Nutrients Revealed
https://www.momsacrossamerica.com/national_school_lunch_testing

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