「ゲノム編集」食品を自治体で止めよう!

 愛媛県での2日間の学習会、参加される方の熱が高くて、さすが愛媛と感じた。今、全国で活発になった学校給食の有機化、愛媛県の今治市はその先駆者で、その立役者の方たちが主催なのだから当然なことではある。
 今治市は学校給食で遺伝子組み換え食品の使用しないことを定めた条例をすでに2006年に作っている。この遺伝子組み換え食品の中に「ゲノム編集」も含むとする、という一条項を追加してくれさえすれば、「ゲノム編集」食品も阻むことができる。
 
 実際に世界ではそのような決定をしている地方自治体はすでに存在する。その1つが米国カリフォルニア州メンドシーノ郡。メンドシーノ郡は2004年に遺伝子組み換え作物栽培禁止の条例を定めたが、2020年に「ゲノム編集」食品も遺伝子組み換え食品に含まれるとして「ゲノム編集」作物の栽培も禁止されることになった(1)。同様の決定をドイツのバーデン・ビュルテンベルク州も下している(2)。またスイスは2025年までの「ゲノム編集」を含む遺伝子組み換え作物のモラトリアム(期限付き禁止)を2021年に決めている(3)。
 
 「ゲノム編集」食品規制の1つの困難は検出方法だ。遺伝子組み換え食品の場合は、開発企業がその検出方法をいっしょに示すことが義務付けられている。ところが「ゲノム編集」食品の場合はその義務が課されていない。政府は「ゲノム編集」食品は検出不可能だから、と説明しているが、そんなことはないと科学者たちは証明している。これは遺伝子組み換え企業のロビー活動の圧力の結果なのだ。
 義務化されていないため、試験をして検出するという方法が一般的に確立できていないが、実際の規制方法には社会的検証という手法を使うことができる。つまり、原料に何を使っているか確認すればそれが「ゲノム編集」されているかないかは確認できるということになる(要するにトレーサビリティをしっかりするということ)。
 
 いずれにしても「ゲノム編集」食品の規制は可能であり、「ゲノム編集」食品の規制は国が逃げても、地方自治体で実現できる。そして、今治市はその先頭を切れる位置にいる。
 
 その今治市のある愛媛県でなぜ、「ゲノム編集」みかんや魚が研究されているのか、大きなギャップを感じざるをえないが、現在、市民と県の政治の乖離は大きい。でも、この県の「ゲノム編集」推進を逆にテコにして、まちづくり条例のアップデートや、他の市町村への制定につなげることができると思う。なにせ、愛媛のみかんは日本の宝なのだから、全国からも支援されること間違いなしだろう。
 
 また、果たしてお住まいの地方自治体がこんな研究を推進していないか、バイオテクノロジー企業を誘致しようとしていないか、調べてもらった方がいいかもしれない。
 
 調べ方にはいろいろあるが、一番手軽なのはGoogle検索。地方自治体のドメインを調べて、そのドメインで「ゲノム編集」などの言葉で検索すればやっている自治体だとボロボロ情報が出てくるかもしれない。
 
 都道府県庁のサイトを調べて、ドメインを調べる。愛媛県だと ehime.jp、東京都だとtokyo.lg.jp になる(都道府県名.jp か 都道府県名.lg.jp のケースが多い)。

 検索語に site:ドメイン名 という言葉を付け加える
 たとえば

ゲノム編集 site:ehime.jp

で調べれば愛媛県が関わる「ゲノム編集」に関する情報を得ることができる。議事録や関連パブコメで「ゲノム編集」食品に関して、どんな意見が出ているかもチェックできる。どんな議員が議会でどんな質問をしているのか、議事録が公開されていれば出てくるだろう。

 いっぱい出てくる時は「ツール」を選んで、期間指定を1年にしてみると最近の動きの情報に絞ることができる。
 
 情報公開法に基づいて情報公開請求したり、直接自治体に聞いたり、議員に質問してもらうなどの方法もあるかもしれない。いずれにしても今後の最前線は地域だ。地方自治体をどう変えていけるか、大きなチャレンジだ。
 
(1) メンドシーノ郡の決定(「ゲノム編集」作物栽培禁止)に関する2020年2月11日の投稿
https://www.facebook.com/InyakuTomoya/posts/pfbid02YufJc62Hhfu3BotFQW5XZu7dMYGuEUZPwpidcPvGG2zExqJQ1WThogD61LtnS9rSl

(2) ドイツのバーデン・ビュルテンベルク州の「ゲノム編集」作物栽培禁止に関する2021年5月16日の投稿
https://www.facebook.com/InyakuTomoya/posts/pfbid0hRQCJLSSTA2h2iMhigEx5VJbUv1jv43tdfdJfT7mJxn6NxcVobujkBK11vpH9iN2l

(3) スイスの遺伝子組み換え作物モラトリアム2025年まで延長決定、「ゲノム編集」も含むに関する2021年10月1日の投稿
https://www.facebook.com/InyakuTomoya/posts/pfbid0wCGmWrKqUfMFz4GayYAEAnqERjCrhVijiwXGo7m3dXsN4ypaAoxkGhbEo7W18Mfal

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