世界で遺伝子操作魚を作っている企業は2社しかない。1つが遺伝子組み換えサーモンを作っているAquaBounty社、もう1つは日本の「ゲノム編集」マダイ・トラフグを作っているリージョナルフィッシュ社。
でもAquaBounty社の遺伝子組み換えサーモンは消費者から完全に無視され(当たり前だが)、同社の株価は暴落状態が続き、破産も間近という状態だった。そして、同社の新たに打ち出した路線は遺伝子組み換えでない従来の魚の卵の生産に注力するという方針。この遺伝子組み換え路線を放棄するのか定かではない。いや、いっしょに遺伝子組み換えサーモンはやめますと言わないと結局、信用回復しないんじゃない、と心配になってしまう。
遺伝子組み換えサーモンは急速な成長をするように遺伝子操作されるが、その成長の早さに内臓が耐えきれず、異常が見られるケースが頻発していると内部告発されている。
これまではAquaBounty社はカナダのプリンス・エドワード島で卵を作り、米国で成魚まで養殖していた(最初はパナマで養殖する計画だったけど、あまりにひどい計画なのでパナマ政府が拒否して米国での生産に変わった)のだけど、今後は成魚まで作って売るのではなく、Non-GMOの魚の卵生産に集中して、世界の養殖業者に売ることで世界中、特に中国市場に力を入れようというのであろうか? リージョナルフィッシュ社は稚魚を世界に売ろうとしている。すでに鶏などでは起きているが、農業の種苗と同じように急速に種苗(卵や稚魚)に集中することが今後の養殖業界で大きくなるのかもしれない。遺伝子操作がなくとも抗生物質をいっぱい使ったファクトリーファーミング(工場生産)的養殖は環境にも健康にも悪そうで、それはそれで心配は残るし、まだ遺伝子組み換えサーモンはやめます、宣言していないので、安心できないものの、そうしたNon-GMOの方向に行かざるをえないのではないか?
そうなれば世界で残る唯一の遺伝子操作魚はリージョナルフィッシュ社1社になる。市場はないし、消費者は食べたくない、というのはもはや明らかなのだから、こんな企業に税金をつぎ込むのは一刻も早く辞めてもらう必要がある。京都府のみなさん、京都府の動きに気をつけてください。
AquaBounty sees opportunity in egg sales, pulling back on China plans
https://www.seafoodsource.com/news/premium/aquaculture/aquabounty-sees-opportunity-in-egg-sales-pulling-back-on-china-plans