種苗法改正に関する農水省のQ&Aに一言

 先の通常国会ではあちこちから批判が噴き出し、審議入りできなかった種苗法改正案、農水省は国会閉会後、すぐに改正案成立のためにいくつも資料を作って、説得に動いています。
 でもその説明にウソが多い。なんでそんな合理的でない説明をするのか、そんなおかしな説明をする時はやはり真意を問う必要がある。でも残念なことにそのウソがまかり通り、マスコミでもそのまま流されてしまうので、しっかりと反論をしないとまずいと考え、農水省が作ったQ&Aを受けて、それに反論する形で文章をまとめました。

 この文章は改変自由で使っていただくことができる形で配布します。コピペして、納得いかない部分は納得の行く文章に書き換えていただいた上、ご自身のブログやSNSなどで使っていただいて結構です。

種苗法改正に関する農水省のQ&Aに一言

育種農家と種苗法改定について

 ブドウの育種を手掛ける農家で林ぶどう研究所の林慎悟さんにお声をかけていただき、「種苗法改正」について議論させていただきました。林さんは登録品種マスカットジパングという新品種を育成された方です。しかし、農家による新品種の育成は現在大きな困難に見舞われており、種苗法改正はそれを変えるとして、法改正に賛成されています。
 法改正に賛成される林さんと反対する僕との間で議論は成り立ったか、ご覧いただければ幸いです。 “育種農家と種苗法改定について” の続きを読む

第1次世代の遺伝子組み換え産業の敗北を決定づけるジカンバ承認違法判決

 「巨大な勝利!」と米国の市民組織、食品安全センター(CFS)代表。米国連邦控訴裁判所が3日、モンサントがもちこんだ除草剤ジカンバの環境保護局による承認を違法とする判決を下した(1)。 “第1次世代の遺伝子組み換え産業の敗北を決定づけるジカンバ承認違法判決” の続きを読む

農水省のおかしな説明:「次代の新品種は登録できない」?

 農水省の種苗法改正に関わる説明がちょっとおかしい。もっともおかしいといっても財務省や防衛省で起きているような、ありえないことから比べるとずっとましだし、国会議員や地方議会の議員からの質問に対して、きわめて丁寧に対応はされている。そのことは高く評価できるのだけど、やっぱりおかしいことはおかしいので、指摘させていただきます(昨日予告したその2になります)。 “農水省のおかしな説明:「次代の新品種は登録できない」?” の続きを読む

種苗法改正問題の背景にある農業競争力強化支援法

 前に書いた種苗法改正と公的種苗事業の民営化のことだけれども、そんなことは種苗法改正案のどこにも書かれていないじゃないか、というかもしれない。これが書かれているのは種苗法改正案ではなくて、農業競争力強化支援法の方だ。 “種苗法改正問題の背景にある農業競争力強化支援法” の続きを読む

種苗法:問われる公的種苗事業の存在価値

 この間、種苗法改正をめぐって、さまざまな人たちから質問が農水省に出されているのだけど、この間の農水省の説明や、質問に対する回答に現実との大きなギャップを感じています。
 もっとも、他の情報公開でよくあるように黒塗りの答えが出てくるようなことは一切なく、担当されている農水省の方はとても真摯に答えてくれていて、それはとってもありがたいと思います。そこには今後、同じ方向を歩む可能性も感じられるのだけど、それでも種苗法改正に絡むところはどうにも納得がいかないことばかりなのです。
 そこで納得がいかないことについてまとめてみることにしました。まず、その1。 “種苗法:問われる公的種苗事業の存在価値” の続きを読む

種苗法を取り巻く見えないプレーヤー

 検察庁法改正案、強行採決されず、まずはよかった。反対の声を上げたすべての方に感謝。でも来週が正念場。この法案が成立すれば日本のすべての領域に悪影響を及ぼすだろう。でも、ここで踏ん張ることができれば大きな意味があると思う。

 昨日一昨日と2日、国会に行って、自民党の農政関係の議員に会い、種苗法改正についての懸念をお伝えしてきた。ほぼこちらの主張に同意する議員も、部分的に趣旨は理解するという議員もいる。まともな国会であれば即決はありえず、議論が相当噴出せざるをえない。与党の中にもこれだけ批判があるのだから。しかし、それにも関わらず、結論として来週、自民党は1回だけの委員会で採決、衆院通過まで狙っていることは間違いない。 “種苗法を取り巻く見えないプレーヤー” の続きを読む