コオロギ食をめぐってSNSが騒がしい。イナゴなどの伝統的昆虫食と違う問題がそこにある。岸田首相が予算委員会で推進宣言したフードテックだが、その推進ビジョンのロードマップによるとすでに昨年にコオロギの生産ガイドラインは完成していて、今後、他の昆虫のガイドラインが作られていくことになっている。
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フードテック推進ビジョンに圧倒的な反対の声
年末年始にかけて行われたフードテック推進ビジョンに関するパブリックコメントの結果が公表された。フードテックというのは曖昧な言葉だが、その中身は細胞培養肉などの細胞性食品、「ゲノム編集」技術、昆虫食、代替肉、さらには食品管理技術などが含まれる。
しかし、そもそも「ゲノム編集」技術を使った食品は国会での議論もなく、省庁内の検討会だけでゴーサインになってしまった。そして、細胞性食品も、そこにどんな技術が使われ、どんな問題が起きるか、十分な検討はなされていない。
にも関わらず、農水省が推進を決めたことには強い違和感を感じる。そして、実際、寄せられたコメントのほとんどは推進反対で埋め尽くされた。
ところが農水省はこのパブコメをこの言葉で締めくくる。
「御意見をお寄せいただきました皆様方に深く御礼申し上げるとともに、今後ともフードテックの推進に御協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます」
推進するな、という圧倒的な声に対して、まったく馬耳東風そのもの。ほとんどパブリックコメントをやる意義を理解していないとしかいいようがない。 “フードテック推進ビジョンに圧倒的な反対の声” の続きを読む
細胞農業、工業的昆虫食、代替タンパク産業は不要
国会で細胞培養肉などの細胞性食品・フードテックに関する質疑が22日に行われ、岸田首相は「世界の食料問題の解決に貢献する取り組みを後押ししていかなければならない」と語った(1)。
世界の食料問題というけれども、何が問題なのかをすり替えればさらなる問題が作られる。世界は代替タンパク(プロテイン)でもちきりだ。いわく、細胞培養肉、代替肉、さらには昆虫食、遺伝子操作した魚の養殖…。
なんでこんな騒ぎになっているのか?
背景にあるのはこれまでのタンパク質ビジネスの頂点にあったファクトリーファーミング(工業的集約型大規模畜産)が限界に達して収益や今後の成長が見込めなくなった、ということ。気候変動効果ガスを大量に産出し、水や空気も汚染し、薬が効かない耐性菌の発生源となるファクトリーファーミングに世界は厳しい目を向けだした。そして、環境的にももはやそのような生産を拡大させることには限界が見えてきた。 “細胞農業、工業的昆虫食、代替タンパク産業は不要” の続きを読む
民間企業だけに種子は任せられない
だから言わんこっちゃない。三井化学が作る稲の品種「みつひかり」が消えるかもしれない。交配不良で十分な品質の種籾が作れなかったからだという。天候不順が理由にされている。「みつひかり」は稲ではめずらしいF1品種。毎回、異種交配させないといけないからタネを作る負荷も通常の固定種よりも高い。気候変動に弱いことが露呈したと言えるかもしれない。
2017年に種子法廃止を決めた理由は種子法があると民間企業が活躍できないからというものだった。その種子法が2018年に廃止され、すでに5年が経とうとしているのに、民間企業が活躍しているという話は聞こえてこない。 “民間企業だけに種子は任せられない” の続きを読む
カーボンファーミングには要注意
気候危機に対して有機農業・アグロエコロジーはもっとも有効な解決策の1つなのだが、このロジックを悪用した「カーボンファーミング」にはとんでもない罠が存在している。バイエル(モンサント)による「ゲノム編集」カバークロップを使った遺伝子組み換え農業の強制が進みかねない。デタラメな「カーボンファーミング」に要注意。 “カーボンファーミングには要注意” の続きを読む
なぜ営利企業の本社が京大の中に?
なぜ、京大生協で「ゲノム編集」マダイ・バーガー販売なのか、ということなのだけど、その裏にはかなりやばい構造がある。
やばい構造とは何かというと、この「ゲノム編集」マダイを作っている企業の本社は京大の中にあるのだ。なんで国立大学の中に営利企業の本社が置けるのか、理解に苦しむのだが、その本社所在地は京都府京都市左京区吉田本町36番地1 国際科学イノベーション棟 京都大学である。
そして、その「ゲノム編集」マダイやトラフグを開発したのは京大と近畿大であり、国の支援を受けている。公的な支援を受けた研究は公的に還元されるべきだが、それは民間企業にそのまま吸い取られているだけでなく、本社まで京都大にあるということになっている。これっていったい何? “なぜ営利企業の本社が京大の中に?” の続きを読む
京大生協で「ゲノム編集」魚バーガー販売
京都の方、大問題です!
京大生協カンフォーラで「ゲノム編集」マダイを使ったカツバーガーが今日から販売開始との報せを京都の知人からいただいた(いつもありがとうございます!)。 “京大生協で「ゲノム編集」魚バーガー販売” の続きを読む
「ゲノム編集」食品を規制するスイス
日本の報道を見ていると、「ゲノム編集」が食料危機や気候危機を救う技術だ、なんて気になってしまいかねないけど、それはメチャクチャな根拠のないトンデモ説であることは調べるとわかる。
スイスは世界の4大遺伝子組み換え企業の母国でもあるけれども、2005年以来、遺伝子組み換え生物に関するモラトリアムを定めて、その栽培・飼育を禁止している(1)が、その範囲を2021年に「ゲノム編集」にも広げることを決定した。その「ゲノム編集」の規制方法が2024年半ばまでに提案されるとのこと(2)。スイスでは「ゲノム編集」食品はまだ流通していない。 “「ゲノム編集」食品を規制するスイス” の続きを読む
