数値で見る農業モデルと種子

 イデオロギー・思想の闘いは得てして不毛な結果しかもたらさない。実際に人びとの行動を変えるのはある具体的な事実であることが多いと思う。具体的な指標で比較した時、明確にその差が出る時、人びとの行動は変わっていく。
 農業生産はどうあるべきか考えてみる。 “数値で見る農業モデルと種子” の続きを読む

バイオ兵器の危険

 バイオテクノロジーと戦争は切り離せない。戦争技術として爆弾や生物兵器が作られ、それから化学肥料や農薬が生まれてくる。戦争産業として政府との関係を密接にしていく化学企業はやがて遺伝子組み換え技術を開発。しかし、この技術は農薬を売る企業にとっては利益があるが、農家にも消費者にも利益を与えないとんでもないものだった。そして、時代はさらに第2世代の遺伝子組み換え技術としてゲノム編集やさらには究極の遺伝子組み換えとよばれる合成生物学を生み出した。特に後者はこれまでの遺伝子組み換えが既存の遺伝子のコピーアンドペーストや、遺伝子のスイッチのオンオフによるもので、基本的に既存の遺伝子に何らかの手を加えるものだったのに対して、後者はコンピュータ上でDNAを設計し、生命を作り出してしまう。すでに藻のような簡単な生命体を作り出し、油、バニラに相当する物質を生産することが実現できており、商品化もされているといわれている。 “バイオ兵器の危険” の続きを読む

農水省、新たにモンサントの遺伝子組み換えトウモロコシ承認

 またため息が出てしまうけれども、農水省は新たにモンサントの遺伝子組み換えトウモロコシの1品種、絹糸抽出期における高雌穂バイオマストウモロコシ(識別名MON-87403-1)を飼料用、食品用、栽培用に承認。これで農水省が日本での耕作を承認する遺伝子組み換え作物は133品種になった。 “農水省、新たにモンサントの遺伝子組み換えトウモロコシ承認” の続きを読む

絶滅しつつあるプランテーションバナナと生物多様性の中に生き続けるバナナ

 現在、店頭に並んでいるバナナの絶滅はそう遠くないと言われている。その原因はモノカルチャー。遺伝的にまったく同じバナナが大量生産される。そのため菌病により絶滅は確実視されている。かつて世界を独占した品種グロス・ミッチェルが終わりとなり、現在の品種のキャベンディッシュも何年持つかわからない。同じ過ちを繰り返している。 “絶滅しつつあるプランテーションバナナと生物多様性の中に生き続けるバナナ” の続きを読む

除草剤グリホサートEU延長承認賛成したドイツがグリホサートを禁止する?

 いや、もうほら見たことか、という動きになっているモンサントのグリホサートのEUでの使用延長をめぐるバトル。
 モンサントとバイエルは延長承認の後、ワインかビールで祝杯したかもしれない。でもさぞかしまずい祝杯だったろう。飲み終わった後は青ざめていたのでは? “除草剤グリホサートEU延長承認賛成したドイツがグリホサートを禁止する?” の続きを読む