世界で遺伝子組み換え食品を断トツのトップで承認しまくる日本政府、また新たにモンサントの遺伝子組み換え大豆3品種の承認のためのパブリックコメント。
今回の対象は高オレイン酸含有ダイズDP-305423-1、除草剤グリホサート耐性ダイズMON89788系統及び除草剤ジカンバ耐性ダイズMON87708系統からなる組合せの全ての掛け合わせ品種(既に食品健康影響評価が終了した除草剤グリホサート耐性ダイズMON89788系統及び除草剤ジカンバ耐性ダイズMON87708系統を掛け合わせた品種を除く)の食品安全性の審査結果に対するコメントを求めるもの。
まずどんな性格のものか、見ておきたい。まず最初の高オレイン酸含有大豆。米国では2006年にトランス脂肪酸の表示が義務付けられた結果、大豆油は他の食用油にシェアを奪われ始め、それに対して、高オレイン酸大豆を2020年までに80%にしようということで、今後、オレイン酸含有大豆が増えていくと考えられる。トランス脂肪酸を避ける食品市場のみならず、オレイン酸大豆の油は高温状態での安定性が高く、産業用油にも適しているとのことでさらにその傾向は拍車がかけられることだろう。
次のグリホサートとジカンバ耐性だが、これは今、米国で集団訴訟の対象となっているもの。モンサントの除草剤グリホサートはついに米国のほとんどの地域で耐性雑草が出現し、効果が落ちてしまったので、古いジカンバという除草剤をまぜて、その効力の落ち込みを補い、グリホサートを延命させようという苦肉の策。
しかし、ジカンバという除草剤は流出しやすく、周辺の農場や生態系を破壊してしまう。すでに日本の全農地面積の三分の一にあたる農地が米国で被害を受け、農家同士の紛争も起き、一人が死亡している。米国ではモンサントに対する集団訴訟も起こされている。
ジカンバは生態系に危険なだけでなく、残留農薬による人体への影響も懸念される。しかし、内閣府食品安全委員会は安全だとしてお墨付きを出してしまっている。影響が出て、問題になる頃にはこの承認に関わった人たちは任を降りている。誰も責任を取らず、モンサントの危険な食品がこうやって広がっていく。しかし、世界の他の政府はなかなか追従しないだろう。日本政府だけが突出して承認していく。その異様さをマスコミは伝えようとしない。
今回のパブリックコメント、従来は三品種別々に行うものだった。しかし、このプロセスは簡略化され、三品種まとめての承認となる。今後、親系統が承認されているとその掛け合わせの系統はまとめて承認されてしまう。かけ合わせた際にどんな影響が出るか、その実験はされず、影響は出ないだろうという推測でOKという安易な審査だ。
来年1月11日が締め切りとなる。