日本学術会議の会員任命に菅政権が介入。菅首相は人事を押さえる権限があるとでも錯覚したのだろうか? 安倍・菅政権が続く中、官僚機構でもまったく誠意の見えない対応が続いている。
農水省は種苗法改正は農家に影響を与えないとして、たとえばイチゴの苗はその後の自家増殖の分も前提に販売している、と説明する文書を作成し、JA都道府県中央会農政担当部課長会議で説明を7月22日に行った。オンラインにも公開した。
通常国会が終わってすぐ、批判が噴き出して審議にも入れなかった種苗法改正案は農家の人には影響与えないとして、JAの反対を封じ込めるためにその資料を作ったのだろう。「買ってきたイチゴの種苗は自家増殖分も本当に入っている? なら、種苗法改正してもイチゴ農家は変わらない。大丈夫だ、これで安心」と思った人も少なくないだろう。
でもこれは誤り。そんなわけはない。そしてそのオンラインの資料はこっそり削除。問題の文書を削除したものに差し替えられた(1)。
その事実は川田龍平参議院議員の質問主意書への内閣府の答弁書で確認された(2)。
虚偽の説明をしてまで法案通したとしても、自家増殖しても大丈夫という説明を真に受けた農家は自家増殖できると思うだろう。そして、それが見つかれば種苗法違反で摘発するとしたら、これは政府が詐欺を行ったことにならないか? そんな意図はなくて、思わず説得したくて事実ではないことまで書いてしまった、と好意的に理解したとしても重大な過失といわざるをえない。
こんなめちゃくちゃなやり方で進められている種苗法改正案をそのまま審議することはできない。廃案にして、今、本当に日本の農業守るために必要なことは何か、再度、考え直す必要があるのではないだろうか? 米価暴落で、このままでは多くの農家が年を越せなくなるかもしれない。そうなったら来年から日本の食はどうなるのか、そこまで追い詰められているのが日本の農業であり、食なのではないだろうか?
(1) https://www.maff.go.jp/j/shokusan/attach/pdf/shubyoho-15.pdf#page=26
(2) https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/202/toup/t202010.pdf