フードテック推進ビジョンを批判する:越権行為

 1月9日締め切りのフードテック推進ビジョンに関するパブリックコメント、重要なので別の角度から見てみたい。
 
 戦後日本の原則でもあった戦争をしないという国是、そして原発は新設しないという政策が国会での議論もなく、勝手に閣議決定されたのと同様に、いやそれ以上にまったく国会では何の検討もないまま、推進されようとしているのがフードテック。
 
 何が問題か、考えてほしい。
 
 「細胞培養肉はすごい、動物から幹細胞をちょっと持ってくるだけで殺さずに肉が増やせる。しかも気候変動ガスになる牛のゲップも出ないから気候危機対策にもなる」などといいことばかり宣伝文句を並べるけれども、細胞培養が人間社会を根底から覆すくらい、大きな影響を与えかねないことについては語ろうとしない。 “フードテック推進ビジョンを批判する:越権行為” の続きを読む

フードテック推進ビジョンを批判する:「ゲノム編集」・細胞培養食に未来はない

 完全に見逃していた。「ゲノム編集」や細胞培養肉などのフードテックを推進する政策に関するパブリックコメント。締切がなんと1月9日(今度の月曜日)。一言で冗談じゃない、という内容なのだけど、期間の限られた時間の中でなんとか一人でも多くの人がコメントを寄せていただきたい。問題点について書き出すと切りが無いのだが、まずは基本的な考え方についてまとめてみたい。 “フードテック推進ビジョンを批判する:「ゲノム編集」・細胞培養食に未来はない” の続きを読む

米国FDA細胞培養肉へのゴーサインは何をもたらすか?

 こりゃないわ。米国食品医薬品局(FDA)はアップサイド・フーズ(UPSIDE Foods)が鶏の細胞を培養して作った細胞培養肉にゴーサイン(1)。この後、米国農務省(USDA)が同様に認めれば米国内の細胞培養肉の流通が始まってしまう。
 「気候変動問題に朗報」とか、「代替肉に需要が高まる」とか報道されていくことだろう。だけど、どうやって作られているのかFDAの提供する情報に目を通したら、唖然(2)。 “米国FDA細胞培養肉へのゴーサインは何をもたらすか?” の続きを読む

米国、バイオテクノロジー推進大統領令、軍事を含めた国家戦略

 生態系を守り、活用する社会を作るアグロエコロジーの未来か、それとも究極の遺伝子組み換え技術で生態系を無視するバイオエンジニアリングによる未来か、相反する2つの未来の激突となりそうだ。
 米国バイデン政権はバイオテクノロジーとバイオマニュファクチャリング・イニシアティブ(生物工学と生物製造イニシアティブ、NBBI)を14日に発表(1)。これは従来の遺伝子組み換え技術、「ゲノム編集」技術、合成生物学、細胞農業(培養肉)などを一括して規制をなくし、国家として推進しようとするものになっていくのではないだろうか?
 この戦略が与える影響は農林水産業だけに限らない。医療はもちろん、軍事にも関わってきそうだ。このNBBIで支出される予算は農務省が5億ドルなのに対して、国防省は12億ドルに上る(2)。軍事関連の方が大きい。 “米国、バイオテクノロジー推進大統領令、軍事を含めた国家戦略” の続きを読む

「細胞農業」「精密発酵」に注意!

 「ゲノム編集」問題、さんざん騒いでいるけど、農作物はトマトしか出ないではないか、と思うかもしれない。実際には小麦やジャガイモ、稲など控えているのだけど、青果物だけに注目していると出し抜かれるだろう。というのも「細胞農業」「精密発酵」「バイオマス発酵」(1)という名の下で「ゲノム編集」食品が今、出てこようとしているからだ。しかも、遺伝子操作技術をつかっているのにNon-GMO、ビーガン、自然食品として宣伝され、米国では販売も始まっているから要注意。 “「細胞農業」「精密発酵」に注意!” の続きを読む

核の冬と日本の食料危機

 衝撃的な数値だ。日本の餓死者が世界の餓死者の3割を占める。日本の食料保障の現実はアフリカ諸国よりも脆弱だったとは。
 核戦争が起きると直接放射線被ばくで死ぬ人の十数倍の人が食料難で餓死すると想定されている。核爆弾による粉塵による被害と食料輸入が止まって2年で食料供給が尽きる。比較的少ない核兵器が使われた核戦争でも日本は6割が餓死。そのレベルの核戦争ではアフリカの多くの国は影響をうけないのに、日本は大半が餓死する。もちろん、先進国の中で、それは日本だけ。世界の餓死者の約3割はなんと日本(1)。米国の大学研究チームによるシミュレーションに過ぎないが、そこまで日本の食料事情は脆弱であると指摘されていることはしっかり受け止める必要がある。
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細胞農業は羊頭狗肉

 培養肉をめぐる動きが加熱している。でもその熱は新たな技術の可能性による熱狂ではなく、独占を実現できそうだと幻想を持つ投資家の熱狂に過ぎないようだ。この技術への幻想が晴れれば市場が崩壊するのは間違いなさそうである。問題なのは、この騒動にわたしたちの税金が投入されようとしていることだ。しかも、ろくな議論もなく、責任もはっきりしない形で。
 細胞培養肉とは幹細胞を取り出し、それをバイオリアクターで細胞分裂させて培養して肉にしていくものだ。動物を殺さなくても肉が作れるから動物愛護になるとか、牛のゲップのような気候変動ガスを作らずに肉が作れるから気候変動対策になるとか、食料危機対策になるとか、抗生物質使わずに安全な食ができるとか宣伝されている。しかし、実際にはそれとはほど遠い現実が見えてきた。そのギャップを埋めてくれる上で貴重な情報がある(1)。もし、あなたが大金持ちで将来性のある産業に投資したいというのであれば、ちょっと長いが、この情報は必ず目を通すべきだ。培養肉関係はやめておくという結論になるだろう。 “細胞農業は羊頭狗肉” の続きを読む

「細胞農業」は危機を加速させるだけ

 「細胞農業」、「精密発酵」、「精密育種」など次から次へと怪しい新造語が出てきている。中でも急速に動き始めたのが細胞農業、一言でいえば培養肉のことだ。一連の情報に目をやると、とても危ない動きになっていると言わざるを得ない。なぜかというとさまざまな危険が内在する技術なのに、あたかも動物愛護のために作られた、というイメージ戦略がすごいからだ。
 そんな問題だらけの技術なのに、問題は素通りされ、一気に法制化が進みかねない。自民党は6月に細胞農業議員連盟(代表、甘利議員、松野官房長官)を立ち上げ、今年中の法案作りに動いている(1)。法案がなぜ必要か? それをまずは税金をつぎ込むために、そして培養肉を流通させて市民に食べさせるためだ。果たして、それは食べるに値するものなのか? “「細胞農業」は危機を加速させるだけ” の続きを読む