EUが「ゲノム編集」食品の無規制流通を6月初旬に受け入れてしまうことが警戒されていたが、問題噴出によって延期となる見込みとなった。「ゲノム編集」をどう規制するか、議論を本格化させる時だ。 “EUの「ゲノム編集」生物規制緩和、延期に” の続きを読む
「放射線育種」は品種改良ではない
放射線を照射して新品種を作ることが「放射線育種」とよばれているが、この言葉自体がイデオロギーの産物と言わなければならない。いつの間にか、放射線を当てることを「品種改良」と考えるようになってしまう。しかし、遺伝子操作は品種改良技術ではない。 “「放射線育種」は品種改良ではない” の続きを読む
お米のほとんどが放射線育種米に?
放射線を照射して突然変異したお米、食べたいですか? 育てたいですか? ここ数年で日本のお米の多くが放射線かけて作った品種に代えられようとしています。
あまりに重大な問題なので、2月末から慎重に情報収集してきました。2025年から少なくとも2つの県で主力品種が放射線育種米に切り替えられ、他の道府県でもその動きが進む可能性があります。 “お米のほとんどが放射線育種米に?” の続きを読む
新たな遺伝子操作農業へ? 農業資材の遺伝子操作
今や、農作物の成長を化学物質でコントロールする時代から微生物でコントロールする時代に移ろうとしている、と言えるのかもしれない。いや、それはずっと人類がやってきた有機農業じゃないか、と言えれば一番いいのだけど、話はかなり怖ろしいものになる。つまり、遺伝子操作した微生物でそれをやろうというのだから。
植物と微生物の共生にこそ、大きな可能性がある。化学物質でそれを代替させる工業型農業こそが土壌の劣化、気候変動、農薬依存などをもたらしてきた。だからそこから脱皮し、微生物との共生をどう回復できるか、生物多様性の回復、生態系の回復は今後の人類の生存にも関わる大きな課題であるはずだ。
もし、そうした回復に技術の焦点が行くのであれば望ましいこと、と言いたいのだが、実際に進みつつあるのは、微生物を遺伝子組み換え、「ゲノム編集」、さらには合成生物学によって操作したものを用いる農業に変えようとする動きである。 “新たな遺伝子操作農業へ? 農業資材の遺伝子操作” の続きを読む
遺伝子組み換え植林を止めよ!
朗報:FSC(森林管理協議会、Forest Stewardship Council)は遺伝子組み換え樹木禁止というポリシーを覆すプロセスを進めることから撤退した。
遺伝子組み換え農作物は環境にも大きな影響を与えるが、比較的、栽培開始から収穫までが短いため、環境に曝される期間は限られている。しかし、樹木の場合はそれが数年に及び、しかも広大な植林地が遺伝子組み換え植林になってしまうとその環境に与える影響は多大なものになると懸念される。 “遺伝子組み換え植林を止めよ!” の続きを読む
遺伝子組み換えメジャーの「ゲノム編集」トウモロコシが届け出
3月20日、米国コルテバ・アグリサイエンス社の「ゲノム編集」トウモロコシが農水省、厚労省に届け出された(1)。コルテバとはモンサント(現バイエル)のライバル企業の米国の2つの遺伝子組み換え企業ダウ・ケミカルとデュポンが合併したものだ。いよいよ4大遺伝子組み換え企業が「ゲノム編集」作物を市場に出すということで局面が変わっていく可能性がある。もっとも現在流通している「ゲノム編集」食品は日本企業が作る3品種に限られている。この「ゲノム編集」トウモロコシの市場流通はまだ時期未定とのこと。
「ゲノム編集」トマトであればそのトマトを不売にすることで一定止められる。でも、トウモロコシはコーンスターチなどに加工され、さまざまな加工食品に入ってしまう。お菓子やお酢、甘味料、粉ミルクなどその範囲はあまりに広い。となると、不売しなければならない範囲はあまりに広がってしまう。さっそく日本消費者連盟と遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンが日本のコーンスターチメーカーに公開質問状を出している(2)。注目したい。 “遺伝子組み換えメジャーの「ゲノム編集」トウモロコシが届け出” の続きを読む
食料・農業・農村基本法見直しについて
食料・農業・農村基本法改正に向けた農水省との意見交換会が3月29日に開かれた。農業消滅や食料危機が現実性を帯びている今、日本での食のあり方を大きく変えることは不可欠のことだろう。では、農水省の見直しの内容はどう評価できるだろうか?
残念ながら、根本的に見直しの内容を見直さなければ現在の危機的な流れを変えることはできないと言わざるを得ない。 “食料・農業・農村基本法見直しについて” の続きを読む
英国で「ゲノム編集」生物に関する法律が成立
3月23日、英国で「ゲノム編集」生物生産・流通を可能にする遺伝子工学法(精密育種法)が成立した。米国や日本とは違い、英国では法律が作られた(日本では省庁内の検討だけで進められた)という違いがあるものの、英国でも表示をせずに「ゲノム編集」食品を流通させることが可能になるが、前途は険しいだろう。 “英国で「ゲノム編集」生物に関する法律が成立” の続きを読む