「緑の砂漠」という言葉がある。ブラジルではユーカリの植林をそのように呼ぶ。本来、世界でもっとも生物多様性に富む自然にユーカリ大規模植林を持ち込むとそこで生きられる生物の種類や数が激減する。そして水も奪われ、その地域で生きられる人の数も減少し、外見だけは緑だが、その現実は砂漠以外の何ものでもない、というものなのだ。 “遺伝子組み換えユーカリ反対国際署名” の続きを読む
国会閉会前に緊急の食料政策を!
国会の会期が終わりに近づいてきた。だけど、何を決めたのか? この世界の多重危機の同時進行の時に政治が果たす役割はとても大きい。でもそれが伝わってこない。
このまま行けば何が起こるか? 食料高騰、収入減る一方の人びとの中で栄養不良状態が深刻化、さらには日本列島の人びとを支える農業が崩壊する大規模な離農が止まらなくなる。それにさらに深刻化する自然災害や感染症が追い打ちするかもしれない。 “国会閉会前に緊急の食料政策を!” の続きを読む
「ゲノム編集」無規制の世界化が目指すゴールとは?
「ゲノム編集」食品を無規制に流通させていい、という方針は米国が作り出し、日本が追従したものだが、肝心の米国がずっこけてしまったので、日本の突出振りが目立つ結果となってしまっていたが、ここに来て、世界で急に「ゲノム編集」食品の規制突破の動きが本格化している。安全性が確かめられたからとかではなく、突出している国の好きにさせてはならないとばかりに遅れちゃまずい、という馬鹿な競争がその原因だ。 “「ゲノム編集」無規制の世界化が目指すゴールとは?” の続きを読む
食料危機から食のシステムの転換へ
食料危機が待ったなしで迫っている。化学肥料の高騰が止まらない(1)。問題は価格の高騰に留まらない。お金を出しても必要な量を確保することが見込めない状態になりつつある。現在の世界の食のシステムは来年にかけて大きな危機に陥るのは避けられないだろう。
特に日本でまず心配なのは今後、農業を続けてくれる方たちが大幅に減ってしまうのではないかということだ。ただでさえ、労は多く収入は少ない状態なのに、これに生産コストが急激に上がってしまったら、継続は不可能になってしまう。 “食料危機から食のシステムの転換へ” の続きを読む
食料自給率100%は可能:奴隷国家を抜け出すために
あぁ、もうこの思考停止なんとかしてほしい。
“日本の食料自給率向上を「米国が絶対許さない」訳
米国にとって日本は「食料植民地」となっている”。
東洋経済:日本の食料自給率向上を「米国が絶対許さない」訳
食料植民地というのは史実としてその通りだろう。肝心なのはそれをどうするかだ。でもそれには何も触れられていない。 “食料自給率100%は可能:奴隷国家を抜け出すために” の続きを読む
「みどりの食料システム戦略」パブコメ
時間がなくて例によって書き殴りで、模範的なコメントからはほど遠いけれども出さないよりは、ということで「みどりの食料システム戦略」に関するパブコメに書いた文章をさらします。 “「みどりの食料システム戦略」パブコメ” の続きを読む
キーストーン遺伝子の発見:失えば生物絶滅も(「ゲノム編集」規制が不可欠なもう1つの理由)
キーストーンという言葉がある。文脈によって印象が変わってしまうけど、ここでは生態系を支える要石という意味で考えてほしい。たとえばよく知られるのは海におけるサンゴ。サンゴは海洋生物の4分の1を直接支え、間接的に支えるものを入れれば4割を支えるという。そのサンゴは海の中の0.1%にしか存在しない。サンゴが失われれば多くの海の生物が死滅する。サンゴは海の生物を支えるキーストーンだ。
遺伝子の中でもキーストーンと呼ぶべきものがあることが研究によって判明した(1)。その遺伝子がなくなると、周辺の生物の絶滅という事態を生んでしまうというのだ。つまり、その遺伝子は周辺の生態にとってキーストーンになっていることになる。 “キーストーン遺伝子の発見:失えば生物絶滅も(「ゲノム編集」規制が不可欠なもう1つの理由)” の続きを読む
英国政府が「ゲノム編集」生物緩和法案提出も市場は冷ややか
英国政府が5月25日に「ゲノム編集」生物を規制せずに流通可能とする法案を出し、来年以降、英国のスーパーマーケットで変色しないマッシュルームやビタミンDを強化したトマトなどの「ゲノム編集」食品が売られるようになると一斉にマスコミが報道しだしている(1)。しかし、この決定が英国市民の圧倒的多数の声を無視して出されていること、そして、何より英国のスーパーがまったく積極的でないことはしっかりと見ておくべきだろう。結局、これでは「ゲノム編集」産業は簡単には進まないことが明らかだ。 “英国政府が「ゲノム編集」生物緩和法案提出も市場は冷ややか” の続きを読む