フード・デモクラシーと日本

 日本は本当にどうにかなってしまいそう。頭が混乱する。こんな時、外の動きを見ることで落ち着きを取り戻せるかもしれない。
 MST(Movimentos dos Trabalhadores Rurais Sem Terra、直訳すると土地なし地方労働者運動、土地なし農業労働者運動)はブラジルが軍事独裁政権が終わろうとする1984年頃結成され、農地改革を求めて、農業労働者を組織して、活動してきた運動団体。その運動が辿ってきた道、論争は興味に尽きないものがある。 “フード・デモクラシーと日本” の続きを読む

食料危機から食のシステムの転換へ

 食料危機が待ったなしで迫っている。化学肥料の高騰が止まらない(1)。問題は価格の高騰に留まらない。お金を出しても必要な量を確保することが見込めない状態になりつつある。現在の世界の食のシステムは来年にかけて大きな危機に陥るのは避けられないだろう。
 特に日本でまず心配なのは今後、農業を続けてくれる方たちが大幅に減ってしまうのではないかということだ。ただでさえ、労は多く収入は少ない状態なのに、これに生産コストが急激に上がってしまったら、継続は不可能になってしまう。 “食料危機から食のシステムの転換へ” の続きを読む

「みどりの食料システム戦略」の根本問題:タネと有機認証

 2050年までに有機農業を現在の50倍にする目標を立てた「みどりの食料システム戦略」。有機農業の拡大自身は必要な方向であることは間違いないのだけど、肝心の政策が伴っていない。
 なぜ、今、世界で20年間に有機農家の数が15倍以上に拡大しているのか? それを支えた政策は何か、なぜ、日本は有機農業のパイオニアの国の一つだったのに、今は100位前後に沈んだのか、何が問題なのか、それをどう変えるか、それが問われると思うのだけど、その分析がゼロ。 “「みどりの食料システム戦略」の根本問題:タネと有機認証” の続きを読む