遺伝子組み換え食品を食べる時の最大のリスクの1つが抗生物質耐性菌の問題だと思う。現在、年間70万人、このまま増え続ければ2050年には年間1000万人が世界で抗生物質耐性菌で死ぬことになると日本政府を含むG7の各国政府は考えている。それではその原因は何か? G7の政府は語らないが、それは家畜を狭いところに押し込めて安い肉の大量生産を行うファクトリーファーミングであり、餌に使われる遺伝子組み換えと抗生物質が関係していることはほぼ間違いがないだろうと考える。
ファクトリーファーミングで作られた(米国で作られる肉の9割、日本に輸入される肉のほとんど)肉は抗生物質漬けであり、そうやって作られた家畜からあらゆる薬が効かない耐性菌が生まれてしまう。遺伝子組み換え作物では抗生物質耐性タンパクが含まれるものがあり、遺伝子組み換え作物に広く使われるグリホサートは、現在モンサントが抗生物質として特許を取っている。グリホサートを撒くということは畑に抗生物質を撒くということになる。
グリホサート、ジカンバ、2,4-Dといった農薬が十分低い濃度であったとしても抗生物質耐性抵抗を作り出す(抗生物質への感受性を変えてしまう)ことが新たな研究で示された。問題なのはこれらの農薬(除草剤)は遺伝子組み換えだけで使われているわけではないことだ。特にグリホサートは100円ショップでも売っている。何の危険性の表示もなく。公園などでも使われている可能性があり、特に子どもやペットが知らぬ間にそうした農薬に曝されているかもしれない。
抗生物質耐性菌から守るためには、まずは公園などの公共の場所、家庭菜園などでのこうした農薬の使用禁止、さらにはすべての場所での禁止をしていくしかないと思う。
New research finds GM crop-related herbicides cause antibiotic resistance
http://www.gmwatch.org/en/news/latest-news/17978-new-research-finds-gm-crop-related-herbicides-cause-antibiotic-resistance
Herbicide ingredients change Salmonella enterica sv. Typhimurium and Escherichia coli antibiotic responses.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29139345
図表は講演資料から。米国政府が発表する抗生物質耐性菌の感染数の推移。