アフリカを狙う遺伝子組み換え企業ーケニアのケース

 遺伝子組み換え作物(GMO)の商業栽培は1996年に始まる。それ以来、毎年、耕作面積は増えてきたが、遺伝子組み換え企業のウソが次から次へとバレだして、しかも、遺伝子組み換え食品によると考えられる病気、慢性疾患に苦しむ人の数も激増し、拒否運動が世界的に拡がり、2015年にはついに耕作面積は前年度を下回った。2017年にはそれまで28カ国に及んでいた遺伝子組み換え耕作国は24に減った。世界では急激なスピードで有機農業・アグロエコロジーが拡大しつつある。
 
 デメリットばかりでメリットがない、除草剤が減らせると言ったのに、使わなければならない量は増えるばかり、殺虫剤が不要になると宣伝したのに、虫で全滅してしまった、以前は質の高いコットンが取れていたのにモンサントのコットンにしたら収量も減って、質も低下してしまった。そんなクレームには遺伝子組み換え企業は一切応えず、高い種子と農薬の負担で債務で自殺する農家まであらわれる。
 
 行き詰まる遺伝子組み換え企業、その矛先はアジアとアフリカに向けられている。特にアフリカではビル・ゲイツ財団やG7の政府と遺伝子組み換え企業が一体になって、アフリカの農家の種子を奪って、代わって遺伝子組み換え企業の種子を押しつけるロビー活動が続いている。自由貿易協定で農産物の輸出先を先進国に確保する引き換えに農家の種子の権利を奪う約束をさせられる。いわゆる「モンサント法」が次々に成立する。

 それでも、アフリカの農民は長く闘い続けてきた。しかし、ついにケニア政府が折れてしまった。ケニア政府は遺伝子組み換えコットンの栽培を承認。今年11月から栽培が開始されてしまう見込みとなってしまった。
 ブルキナファソはこの遺伝子組み換えコットンのために大変な思いをして、モンサントに対する訴訟を起こすも裁判はうやむやに葬られ、モンサントの遺伝子組み換えコットンの栽培をやめることにいたったのだった。同じ苦しみをケニアの農民たちは負うのだろうか?

 高価な種子、農薬、化学肥料を押しつけられれば貧しい農家が圧倒的なアフリカでは何が起きるだろう? そして、ただでさえ危機的な状況にあるアフリカの土や環境に何が起きるだろう? 難民の増加、環境破壊…。社会も環境も壊される。

 無理矢理、先進国と遺伝子組み換え企業などのロビーによってアフリカの農民たちが望むものとは正反対の農業が押しつけられつつある。

 ケニア以外のアフリカ諸国でも同様の闘いが進みつつある。ガーナもその1つ。ガーナの農民団体の訴えを最高裁が認めるなど、遺伝子組み換えに対する抵抗運動は強くなり続けている。

 日本で進められる「農業改革」もケニアで起きていることと同じことだと言える。政治が農家や環境、人びとの健康を追い詰めている。しかし、これは変えられる。21日、今日は選挙。ぜひ、投票で方向を変えましょう!

(1) Kenya announces plan to grow genetically modified cotton

(2) Supreme Court rules in favour of Food Sovereignty Ghana!

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